• 2026/04/05 掲載

理研と阪大、144量子ビットの新型国産量子コンピュータ「叡-II」運用開始

初号機「叡」から量子ビット数を2倍以上に拡張

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理化学研究所と大阪大学は2026年3月26日、144量子ビットチップを搭載した新型の国産量子コンピュータ「叡-II」の運用を開始した。外部からインターネット経由で利用できる量子計算クラウドサービスを通じて提供される。2023年公開の初号機「叡」から量子ビット数を2倍以上に拡張しており、2台体制での運用によりメンテナンス時の中断を回避し、継続的なサービス提供が可能となった。
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(画像:ビジネス+IT)
 理化学研究所量子コンピュータ研究センターと大阪大学量子情報・量子生命研究センターの共同研究グループは、144量子ビットチップを搭載した超伝導量子コンピュータ「叡-II(エイツー)」を開発し、その計算能力を外部に開放するクラウドサービスの運用を開始した。2023年に国内初の超伝導量子コンピュータとして公開された64量子ビットの初号機「叡(えい)」の後継機にあたる。量子ビット数を従来機の2倍以上に拡張したことで、スーパーコンピュータなどの既存の古典コンピュータではシミュレーションが極めて困難な規模の複雑な量子計算を実行できる能力を備えた。

 ハードウェアの設計においては、性能向上と省スペース化を両立させている。共振時の周波数を従来よりも低く設定する新たなアプローチを採用し、量子ビットが情報を保持できる寿命を延長させた。これにより、演算実行中にエラーが発生する確率を抑制している。同時に、チップ周辺の配線レイアウトを効率化することで、極低温を維持するための大型冷却設備を含めたシステム全体の物理的な寸法を、初号機の「叡」と同等のサイズに収めた。設備の大規模な拡張を伴わずに計算能力を倍増させている。

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【図版付き記事はこちら】理研と阪大、144量子ビットの国産量子コンピュータ「叡-Ⅱ」運用開始(図版:ビジネス+IT)

 サービスの運用体制も強化された。「叡-II」の稼働により、クラウドサービスは複数台のシステムによる並行運用へと移行した。初号機のみでサービスを提供していた期間は、システムの調整や定期メンテナンスを行う際に、クラウドサービス全体を一時的に停止せざるを得なかった。今後は「叡」と「叡-II」を併用することで、一方の機器をメンテナンスで停止している間も、もう一方の機器でユーザーからの計算リクエストを処理できる。研究機関や企業などの外部ユーザーに対して、途切れることなく安定した計算リソースを提供できるようになった。

 理研はこの「叡-II」の稼働を、量子コンピュータの実用化に向けた重要な一歩と位置付けている。今後の開発では、システムのさらなる大規模化を念頭に置き、個々の量子ビットの性能向上やシステム全体の信頼性強化を進める。長時間にわたって正確な量子計算を継続できる技術の確立を目指している。

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