- 2021/10/04 掲載
捨てないで、古着に新たな命=おしゃれに「アップサイクル」―小売り各社
百貨店など小売り各社が、古着を再生させる取り組みを強化している。服を染め変えるサービスや、回収・加工した衣料品の再販売など、手法に工夫を凝らす。単にリサイクルするだけでなく、さらにおしゃれに変身させる「アップサイクル」も登場。環境に配慮した持続可能なファッションかどうかは、消費者が衣料品を選ぶ際の判断材料の一つになりつつある。
汚れて色落ちしたお気に入りの服が、スタイリッシュな深みのある黒色に―。大手百貨店の三越伊勢丹は、黒紋付きを染め続けてきた京都の老舗と協力し、服を黒く染め変えるサービスを手掛けている。自社で販売した商品に限定せず、Tシャツなら2750円から。このほか、伊勢丹新宿店では6日から期間限定で、展示会で使用した商品サンプルなどを染め変えた服を販売する。
「無印良品」を展開する良品計画は9月、環境に配慮したサービスや商品を扱う「MUJI
新宿」(東京)を新装オープンした。自社で販売した衣料品を回収。ほつれや汚れがある部分を取り除き、別の服の一部とつなぎ合わせた「つながる服」を販売している。藍色に染め直した服や通常の古着も扱う。利用客には「買い物を通じてリユース(再利用)活動に参加でき、うれしい」と好評という。
衣類のリサイクルは回収・加工にコストが掛かり、大量生産の新品より割高になることも多い。カジュアル衣料大手ユニクロは、リサイクル工程の完全機械化で課題を解決。自社販売の古いダウン製品を再生した「リサイクルダウンジャケット」は7990円に抑えた。
ユニクロは2019年から約1年間で、62万着のダウン商品を日本国内で回収。再生品を23カ国・地域で販売している。広報担当者は「サステナブル(持続可能)であることがブランド選択の基準になっている」と話している。
【時事通信社】 〔写真説明〕京都の老舗染色業者と協力し黒く染め変えた服(三越伊勢丹提供) 〔写真説明〕良品計画が販売する「つながる服」(同社提供)
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