- 2021/10/28 掲載
暗号資産と気候変動が課題=金融安定にリスク―主要国当局
【ワシントン時事】日米など主要国・地域の金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)のクオールズ議長(米連邦準備制度理事会=FRB=理事)は、急速に拡大する暗号資産(仮想通貨)市場と気候変動リスクは「国際金融システムが直面する大きな構造的課題だ」とし、金融の安定に向け対処する必要性があると述べた。28日公表された20カ国・地域(G20)首脳宛ての書簡で訴えた。
暗号資産の代表格であるビットコインの価格は高騰し、先物相場に連動した上場投資信託(ETF)の取引も開始された。書簡でクオールズ氏は「暗号資産市場が過去1年で急速な発展を遂げた」と指摘。暗号資産が他の金融システムと結び付きを強めていることを踏まえ、「暗号資産市場と金融の安定の関わりを注意深く監視していく」と明言した。
また、市場参加者が地球温暖化をめぐる投資リスクに適切に対処するには「国際的に一貫した(気候変動関連の)開示基準をつくることが現段階の焦点だ」と強調。温暖化が金融にもたらすリスクの把握に努め、「あらゆる資金調達で適切に気候変動リスクを反映させることが重要だ」との見解を示した。
【時事通信社】 〔写真説明〕米連邦準備制度理事会のクオールズ理事(金融安定理事会現議長)=2018年10月、ワシントン(EPA時事)
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