ノバルティス、ロシュ議決権株を売却　20年間の出資関係解消

［チューリヒ　４日　ロイター］ - スイス製薬大手ノバルティスは４日、保有する国内同業ロシュの議決権株式３分の１弱を２０７億ドルでロシュに売却すると発表した。２０年間にわたり競合社の戦略的案件に関する否決権を有する出資関係が続いたが、解消される。

ノバルティスは発表文で、保有するロシュ無記名株５３３０万株を１株当たり３８８．９９ドル（３５６．９３スイスフラン）で売却することに合意したと説明。ロシュの議決権を持たない株式の２０営業日の売買高加重平均を踏まえた価格だという。

これとは別にロシュも発表文を出し、借り入れた資金でノバルティスから自社株を買い戻し、消却する計画を明らかにした。

ノバルティスは２００１年にスイス人のモノ言う投資家マルティン・エブナー氏からロシュ株を取得。同氏は戦略変更を迫るためにロシュ株を買い集めていたが、ロシュの過半数を握る創業家一族の反対に遭い、不満がたまりノバルティスに売却を申し入れた。

ノバルティスはロシュに取締役を送り込むこともなく、経営に干渉しない姿勢を維持してきた。株式売却収入として約１４０億ドルを計上する見込みだとした。