• 2022/03/22 掲載

FRB、通常より大幅利上げも インフレ抑制へ「迅速に」対応=議長

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[21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は21日、インフレ抑制にFRBは「迅速に」行動する必要があるとし、必要に応じて通常より大きな幅での利上げを実施する可能性があると述べた。

パウエル議長は全米企業エコノミスト協会(NABE)会合での講演で「労働市場は極めて力強く、インフレは高すぎる」と指摘。「物価安定の回復に必要なら、金融政策スタンスをより中立的な水準に戻し、その後、より制約的な水準に移行するために迅速に動く必要があるのは明らかだ」と述べた。

その上で「1回の会合、もしくは複数の会合で、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)以上引き上げ、一段と積極的に対応することが適切と結論付けられれば、そのように行動する」と表明。

「年初時点では、インフレは第1・四半期にピークを付け、その後は横ばいになり、下半期には大きな進展が見られると予想されていた。ただこうした予測はすでに崩れ去った」とし、「一段と迅速に行動する必要があるとの結論に達する可能性がある。そうなれば、そのように行動する」と述べた。

その上で、必要に応じて50bpの利上げを実施する用意があるとの姿勢を改めて表明。5月までにバランスシート縮小に着手する可能性があるとの見方も改めて示した。

ウィズダムツリー・インベストメンツの債券戦略責任者、ケビン・フラナガン氏は、パウエル議長の講演について「単なる目先の戦術的な動きではない」とし、「FRBからのより戦略的なメッセージと捉えている」と述べた。

パウエル議長はまた、現在は超過需要の状況にあるとした上で、「原則的」に金融緩和の解除に伴い、労働市場の圧力が緩和され、失業率を押し上げることなく、物価安定に寄与する可能性があると指摘。リセッション(景気後退)ではなく、「ソフトランディング(軟着陸)」に至るという見通しを示した。

<インフレリスク>

ロシアによるウクライナ侵攻を受けた原油高でインフレ高進が一段と進むとの懸念が出る中、パウエル議長は米国が今や世界最大の産油国となったため、1970年代と比べ石油ショックにうまく対応できるとの見方を示した。

FRBは通常は一過性と見られるコモディティー(商品)価格の上昇には対応しないことが多いが、パウエル議長は「高インフレが長期化し、長期期待が居心地の悪い水準に上昇するリスクは増大している」と指摘。供給網の問題についても「政策を決定する際は、供給面の問題が短期的に大幅に緩和しないと想定し、実際の進展に注目する」と述べた。

その上で、インフレの上昇が今四半期中にピークに達し、今年下期に鈍化するという見通しについて「すでに崩壊している」とし、FRB当局者が「より迅速に行動する必要があるという結論に達する可能性があり、そうなれば一段と迅速に動く」と言明した。

ただ、米国のインフレ率は向こう3年以内に「2%近辺」に低下すると予想。「経済は極めて力強く、一段と引き締め的な金融政策に対応できる」との見方を示した。

パウエル議長の発言を受け、市場では5月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpの利上げが決定されるとの見方が強まり、米株価が下げ幅を縮小するなどの動きが出た。

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