• 2022/04/21 掲載

「悪い円安」貿易赤字5兆円=海外に所得流出、景気下押し

時事通信社

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。


急激な円安進行が高騰するエネルギーの輸入額を一段と押し上げ、貿易赤字が拡大している。財務省が20日発表した2021年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字は5兆円を超え、過去4番目の大きさを記録。赤字は今後も続く見通しで、「悪い円安」が所得の海外流出につながり、国内景気を下押す懸念が強まっている。

21年度の貿易収支の赤字額は5兆3749億円だった。原油や石炭、液化天然ガス(LNG)の輸入額が急増しており、東日本大震災後に原発が稼働休止となって火力発電用の燃料輸入が増えていた14年度以来、7年ぶりの赤字幅。今年3月の貿易収支も4124億円の赤字で8カ月連続のマイナスとなり、赤字基調が定着している。

今後も貿易収支の改善は見通せない。2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻を受け、原油価格の代表的な指標である米国産WTI先物は一時、1バレル=130ドルを突破。その後も100ドル前後と高い水準で推移する。「4月以降に貿易赤字がさらに悪化する可能性もある」(みずほ証券の片木亮介マーケットエコノミスト)とされる。

円安は企業の輸出を促す面があるものの、生産拠点の海外移転でこうした効果も落ちている。一方、資源のほとんどを輸入に依存する日本では、円安と資源高の同時進行は輸入価格の上昇により海外への巨額の所得流出につながる。

ニッセイ基礎研究所は21年度の所得流出額が11.8兆円、22年度は10.3兆円に上ると試算する。同社の斎藤太郎経済調査部長は「国内企業と家計の実質購買力の低下を通じて国内需要の下押し圧力になる」と指摘している。

【時事通信社】

評価する

いいね!でぜひ著者を応援してください

  • 0

会員になると、いいね!でマイページに保存できます。

共有する

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます