- 2022/04/21 掲載
今年の銀需要、過去最高水準に=業界団体
コンサルティング会社のメタルズ・フォーカスがシルバー・インスティテュート向けの年次報告書で明らかにした。
今年の銀需要は前年比5%増の11億オンスとなる見通し。これはメタルズ・フォーカスの記録がさかのぼれる2010年以降で最高という。
需要拡大により、今年の銀市場は7150万オンスの供給不足になる見込み。昨年は5180万オンスの供給不足だった。
メタルズ・フォーカスのディレクター、フィリップ・ニューマン氏は「市場の構造変化の始まりとみられる。供給不足はしばらく続くだろう」と述べた。
ウクライナ戦争を巡る不透明感と世界経済が景気後退に陥る可能性を踏まえると、銀消費の約半分を占める工業用需要にはリスクがある。
新型コロナウイルス流行初期は銀の利用が低迷したが、その後は回復傾向にあり、昨年は1997年以来初めて、全ての主要部門で需要が拡大した。
昨年の銀貨・銀の延べ棒の購入は36%増の2億7870万オンスと、15年以来の高水準だった。オンライン掲示板レディットのフォーラム「ウォールストリートベッツ」への投稿で買いが膨らんだ。
この買いを受けた銀価格の急騰は長続きしなかったものの、小売市場は依然としてタイトで、買い手はインフレヘッジや地政学的な不透明感を理由に安全資産として銀をため込んでいるという。
銀の宝飾品需要は昨年、21%増加し、1億8140万オンスとなったが、新型コロナ流行前の水準を依然として下回っている。価格上昇でインドの現物買いが細ったという。
今年の銀価格は平均で1オンス=23.90ドルと予想されている。20日時点の25ドルを約5%下回っている。
2020 2021 2022F % change 20-21 % change 21-22
SUPPLY
Mine Production 781.1 822.6 843.2 5% 2%
Recycling 162.2 173 180.5 7% 4%
Net Hedging Supply 8.5 - 5.0 - -
Net Official Sector 1.2 1.5 1.5 28% 1%
TOTAL SUPPLY 953 997.2 1,030.3 -5% 3%
DEMAND
Industrial 464.9 508.2 539.6 9% 6%
- of which photovoltaics 101.0 113.7 127.0 13% 12%
Jewellery 149.8 181.4 201.8 21% -1%
Photography 27.8 28.7 28.4 21% 11%
Silverware 34.4 42.7 52.7 32% 23%
Bar & Coin 205.0 278.7 279.2 36% 0%
TOTAL DEMAND 880.0 1,049.0 1,101.8 19% 5%
MARKET BALANCE 73.0 -51.8 -71.5 - -71%
ETF 331.1 64.91 25.0 -80% -62%
BALANCE LESS ETFs -258.1 -116.7 -96.5 -55% -17%
Average price $/oz 20.55 25.14 23.90 22% 5%
関連コンテンツ
PR
PR
PR