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外務省“サイバー外交”の内情とは?「国境を越えた攻撃」への対策

デジタル化が急速に進展し、今やサイバー空間は、あらゆる活動に不可欠な社会基盤となりつつある。一方で、国境を越えたサイバー攻撃のリスクが年々高まっている。AIや量子コンピューティングなどの重要・新興技術は、新たな機会を生み出す一方で、サイバーセキュリティの観点ではさまざまな課題をもたらす。国境を越えたサイバー攻撃に対処するには国際連携が不可欠であり、我が国でもさまざまなサイバー外交の取り組みを行っている。外務省 サイバー政策担当大使 兼 総合外交政策局審議官(当時)の石月英雄氏は、自由、公正かつ安全なサイバー空間の実現に向けた外務省の取り組みについて紹介した。

国境を越えたサイバー攻撃のリスクが増大している

 サイバー空間は、あらゆる活動に不可欠な社会基盤、全国民が参画する公共空間として、その重要性および公共性が一層高まっている。一方で、昨今の地政学的緊張を反映した国家間の競争が展開される中で、サイバー攻撃における重要インフラの機能停止、破壊、他国の選挙への干渉、身代金の要求、機微情報の窃取などのリスクが高まっている。

 また、サイバー関連システムのサプライチェーンの複雑化やグローバル化を通じ、サプライチェーンの過程で製品に不正機能などが埋め込まれるリスクや、政治経済情勢による機器・サービスの供給途絶などの供給安定性に係るリスクも存在している。

「経済社会のデジタル化が広範かつ急速に進展する中、国境を越えたサイバー攻撃のリスクの増大は、国民の安全・安心、国家や民主主義の根幹を揺るがすような重大な事態を生じさせ、国家安全保障上の課題へと発展していくリスクをはらんでいます。こうした観点から、外務省もサイバーセキュリティという政策課題に積極的に関与しています」(石月氏)

 石月氏は、サイバー空間における脅威認識や重要・新興技術とサイバーといった視点も交え、自由、公正かつ安全なサイバー空間の実現に向けた外務省の取り組みについて紹介した。

この記事の続き >>

  • ・サイバーセキュリティの確保は、国際社会全体に共通した切迫した課題
    ・重要・新興技術はサイバーセキュリティの課題ももたらす
    ・自由、公正かつ安全なサイバー空間を実現するための4つの取り組み

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