- 2006/12/07 掲載
BT、NGNのノウハウを日本のキャリアなどに提供するサービス--BT CEO ポール・レイノルズ氏
英国NGN事情
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BT Wholesale CEO ポール・レイノルズ氏
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同社は英国通信最大手の企業で、同国における既存の電話回線網を、IP技術中心のネットワーク網であるNGN「21世紀ネットワーク(21CN)」を進めている。
21CNにおける最初の顧客回線の移行として、英国全土の通信インフラを10%を再構築し、100個所以上に機器を設置。英国の南ウェールズにて、2,300キロ以上にわたる光回線網を敷設した。この試みは2007年夏の終わりに南ウェールズで35万人の顧客が新しいインフラに移行していくとともに、100億ポンド(約3兆円)と10年をかけて英国全土を網羅していくという。
レイノルズ氏は21CNによって、「(NGNによって)好きなところで好きなサービスを受けられる」「シンプルなサービスを展開できる」とし、「予算通りに実行できた」ことも評価に値するとした。
ただし、英国においては日本と同じように家庭まで光り回線を引く「FTTH」は「事情に合わない」とし、全土を網羅するDSLを併用し、24Mbpsの“高速”回線が得られるとした。
また、NGN敷設に当たって行った開発や検証、50万におよぶテスト項目などをクリアしてきた一連のノウハウをもとに日本をはじめとする世界中のキャリアに対し、その技術を提供する「21C Global Venture」も12月6日に発表。構築から運用、コンサルティングまでを含めたソリューションを展開していくとした。また、21CGVではNGNに関するさまざまな仕様の策定を進めており、同社の持つNGNの技術を広く公開することで今後ITUなどによる業界標準化を目指す。
レイノルズ氏は「(現在の通信網に頼ったビジネスでは)ARPを大きく伸ばすことは難しい状況である」と認めた上で、21CNの構築に当たり16の既存ネットワーク網を撤去することで、2008年9月以降は「年間10億ポンドのコスト削減が見込める」とした。
今後は、NGNを利用することでユーザーの通信利用料金での恩恵、ならびに各種の複合的なサービスを順次展開していくという。
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