- 2007/03/28 掲載
【国内テープストレージ市場調査】2010年までの年間平均成長率は、マイナス成長へ
・2006年上半期の国内テープストレージの市場規模は269億4,000万円。 ・今後もドライブ、オートメーションともに、ミッドレンジ製品は成長を続けると予測 |
IDC Japanは、国内テープストレージ市場の2006年上半期の市場規模と、2010年までの予測を発表した。2006年上半期の国内テープストレージ(テープドライブとテープオートメーションの合計)の市場規模は、269億4,000万円となった。2005年~2010年の年間平均成長率は、売上額でマイナス2.9%と予測している。
2006年上半期の国内テープドライブの市場規模は101億7,600万円、出荷台数は5万6,666台だった。売上ではミッドレンジが好調を維持、2005年にミッドレンジがローエンドを抜き、2006年上半期ではミッドレンジの比率がさらに60.1%に高まった。ミッドレンジでは、特にLTOハーフハイトの出荷が好調で、2006年上半期では、ついにLTOハーフハイトは出荷台数でLTOフルハイトを上回った。ハーフハイトは、フルハイトと同じ容量でコストメリットがあるため、ローエンドサーバでの採用が増加している。さらに、LTOフルハイトの需要の一部を置き換える傾向が出てきており、需要の裾野が広がっている。今後は、ハーフハイトがLTOドライブの量的主流になり、フルハイトがハイスペック版との位置づけになるとIDCではみている。
2006年上半期の国内テープドオートメーションの市場規模は、167億6,400万円で、出荷台数は8,612台となった。国内テープオートメーション市場では、ミッドレンジのLTOオートメーションが唯一順調に市場を伸ばしている。2006年上半期は、LTOハーフハイトドライブを搭載したオートローダーの出荷が前年に引き続き好調だった。また、国内市場ではこれまでオートローダー需要におされ、21~30巻と31~100巻の小型ライブラリーの出荷が伸び悩んでいたが、2006年上半期には需要が本格化する兆しが見え始めた。中小規模ユーザーにおいてバックアップ統合が徐々に増加していることや、データ保全の認識の高まりとともにバックアップ対象のデータ容量が増加していることが小型ライブラリーの需要増の背景として考えられる。今後は、テープストレージベンダーにとっては、オートローダー需要を順調に伸ばしつつ、いかに小型ライブラリーの需要を開拓していくかが焦点となる。
国内では、ディスクベースのバックアップシステムの導入が大企業から中小企業までのあらゆるセグメントで拡大しており、テープストレージ需要の減少の要因となっている。テープストレージサプライヤーにとっては、ディスクとの共存を目指し、バックアップ統合ビジネスにおいてD2D(Disk to Disk)の先のT(Tape)の地位を確立し、D2D2Tの構成を拡大していくことが重要となる。また今後は、災害対策や法規制への対応を実現するストレージソリューションの重要な要素として、テープストレージを提案することが重要になる。
IDC Japanストレージシステムズ リサーチアナリスト 高松亜由智氏は、「国内テープストレージ市場では、ミッドレンジセグメントのみが成長することが明確となった。参入サプライヤーは、成長分野であるミッドレンジ市場のニーズを細分化して捉え、それぞれのセグメントのユーザー志向に対応する製品を展開することがより重要となる」と分析している。
IDCでは、2005年~2010年の国内テープストレージ売上の年間平均成長率を、テープドライブでマイナス4.9%、テープオートメーションでマイナス1.8%と予測しているが、LTOを中心とするミッドレンジ製品は、テープドライブ、テープオートメーションともにプラス成長を続けると予測している。
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国内データストレージ市場調査/IDC Japan |
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