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  • 2024/06/03 掲載

中国ではSNSアカウントの乗っ取りで「世論操作」、国家が関与する究極の工作とは

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中国企業が「世論工作システム」を開発していた疑惑が浮上している。中国政府が公式に認めたものではないが、国内外の世論形成にウェブサイトやSNSなどインターネットを利用していることは、多くの研究者が指摘している。このシステムは、インフルエンサーなどのSNSアカウントを乗っ取り、反政府的な意見を批判するというものだという。だが、そのような書き込みは世論工作としては稚拙と言わざるを得ない。彼らの本格的な世論誘導はもっと巧妙なはずだ。
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中国企業が開発していたとされる「世論工作システム」の裏に隠されたものとは
(Photo/Shutterstock.com)

情報漏えいで判明「ハッキングツール開発」

 読売新聞の報道によれば、中国政府や自治体のITシステムを手掛けたことがある上海のIT企業の内部資料が、インターネット(GitHub)で発見されたという。

 そこには、Xのアカウントを乗っ取り、ダイレクトメッセージの内容を閲覧したり、なりすまし投稿が可能になったりするというハッキングツールが紹介されていた。さらに、技術力のアピールのためか、この企業がテレグラム向けのハッキングシステムを手掛けた実績に関する情報も含まれていたのだ。

1ページ目を1分でまとめた動画
 リークに利用されたGitHubのアカウントは、現在閲覧できないようになっている。漏えい元とされる中国のIT企業については、具体的な企業名は明かされていない。

 だが、その内容から、2024年の3月に発覚したI-Soon社(安洵信息技術有限公司)の流出文書のことを指している思われる。この事案については、すでに国内外のセキュリティ専門誌や研究者ブログで取り上げられている

 I-SoonはイスラエルのNSOのようなスパイウェアの開発、サービス提供を行うセキュリティベンダーだ。NSOといえばWhatsApp向けのスパイウェアを開発し、それを各国政府、法執行機関、ときには各国軍部に販売している。

 このようなスパイウェアの会社は、イタリアにも多く、NSOやHacking Team(伊)がスパイウェアでビジネスを行うのは、テロ対策や犯罪捜査のためである(と彼らは主張している)。

 NSOのペガサスを筆頭に、イスラエルおよびイタリア製スパイウェアは、さまざまな国でジャーナリストや活動家の弾圧に使われており、人権への脅威にもなっている。

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スパイウェアベンダーは各国の政府機関や軍部などにスパイウェアを販売している
(Photo/Shutterstock.com)

 I-Soonも同様なスパイウェアベンダーと言えるが、スパイウェアはプロパガンダや世論工作に特化したものではなく、監視や諜報活動が主な用途となる。たとえば、中国におけるテロ対策には、新疆ウイグル地区の統制や監視も含まれる。実際、I-Soonは同地区の自治体に監視ソフトの開発・提供も行っているという。

国家支援型の世論操作「2つ」の手法

 盗聴や監視が主目的のスパイウェアでも、世論工作が不可能というわけではない。監視の中でパスワードやセッション情報が手に入れば、標的のアカウントになりすますことができる。

 著名人や影響力のあるアカウントを乗っ取ればプロパガンダとして機能しそうだが、このような乗っ取りが本人に認知されるのは時間の問題だ。フェイク情報はすぐにバレてしまう。この方法は世論操作としてはいささか稚拙でもある。

 国家支援型の世論工作やプロパガンダには大きく2つの方法がある。1つは、国家機関および外郭機関のサイトや党のサイトなどを利用した公式なプロパガンダや啓発情報の発信。いわゆる政府広報となる戦略である。もう1つは、民間のサイトやSNSを利用したプロパガンダだ。 【次ページ】国家が関与する「究極の世論工作」とは?

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