- 会員限定
- 2007/06/22 掲載
【ナラティブマーケティング(22)】商品ナラティブとマーケティングナラティブ(東京電力)(2/2)
毎週金曜日連載
![]() |
図2 マーケティングナラティブ |
この図では、主体を東京電力、対象はオール電化、援助者を安全・安心志向、敵対者で特にガス会社、送り手は広く住宅メーカー、受け手が新築・リフォームユーザー、としている。
マーケティング的には、最大の敵であるガス会社を押さえて、新築、リフォームの際に自分たちが選ばれることが重要である。そのために、以下のようなナラティブが必要であろう。
もちろんこれは安心・安全という本質だけでなく、今までの阻害要因であったIHクッキングヒーターの技術的進歩やエコキュートのベネフィットの理解と相まって起こったことである。
これらの追い風に乗って、住宅メーカーは新築の際にオール電化を推奨するようになる一方、リフォームの際にもオール電化への変更が推奨されるようになる。こうして根本の部分からの採用が行われることにより、オール電化が家庭における唯一のエネルギー源として、スタンダードとなっていく。
このような商品ナラティブとマーケティングナラティブが、消費者の価値観と住宅メーカー担当者の価値観を変え、オール電化は好調に推移してするものと思われる。やはりここにも「新しい物語」が、顧客の意味を形成し、それが新価値を実感させたことが読み取れる。
![]() 中央大学法学部法律学科卒。オリコミ(現オリコム)、講談社、NTTアド、東急エージェンシー、旺文社を経て、現在フリーマーケティングプランナー。現在は、企業のマーケティング業務をアウトソースで請け負い、プランニング、コンサルティング、組織構築、社員教育などを行っている。 |
![]() |
NTTコム、ドコモ、オリンパス、東京ガスの研修で採用された大ヒット商品ガイド。「必要なのは才能より技術」であると謳う村山式メソッドのコンプリートガイド |
関連コンテンツ
PR
PR
PR