クラウドフレアが年次レポート公開、記録的DDoS攻撃など2025年ネット動向

　レポートによると、2025年の世界のインターネットトラフィックは前年比19％増と大きく拡大した。一方で、ボット（自動化プログラム）同士が攻防を繰り広げる「ボット戦争」が激化し、過去最多となる25件超の記録的DDoS（大量通信によるサービス妨害）攻撃が観測された。市民社会組織を標的とした攻撃の増加も特徴として挙げている。

　また、量子計算機の将来的な実用化を見据えた「ポスト量子暗号（量子計算でも解読されにくい暗号方式）」の導入が進み、同社ネットワーク上では人間による通信トラフィックの52％がポスト量子暗号で保護される段階に達したという。AIの普及が通信量や攻撃手法、防御技術の前提を変えつつある実態が浮き彫りになった形だ。

　ネットワーク運用やセキュリティ対策を考える企業にとって、現状認識を更新するための2026年に向けた基礎資料となりそうだ。