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  • 2009/12/11

アウトソーシング・コストを考える:CIOへのステップアップ財務・戦略講座(4)

野村総合研究所から読み解く

今回は、アウトソーシング・コストについて考えてみます。現在、アウトソーシングを利用しないですべてのことを自前で賄う企業はまずないといっていいでしょう。アウトソーシングは、コストがかかる半面、企業の収益を拡大するためには欠かすことのできない要素です。このアウトソーシングをとどう向き合っていくか、財務・戦略の面から考えていきましょう。

フューチャーブリッジパートナーズ 長橋賢吾 編集:編集部 松尾慎司

フューチャーブリッジパートナーズ 長橋賢吾 編集:編集部 松尾慎司

2005年東京大学大学院情報理工学研究科修了。博士(情報理工学)。英国ケンブリッジ大学コンピュータ研究所訪問研究員を経て、2006年日興シティグループ証券にてITサービス・ソフトウェア担当の証券アナリストとして従事したのち、2009年3月にフューチャーブリッジパートナーズ(株)を設立。経営コンサルタントとして、経営の視点から、企業分析、情報システム評価、IR支援等に携わる。アプリックスIPホールディングス(株) 取締役 チーフエコノミスト。共著に『使って学ぶIPv6』(アスキー02年4月初版)、著書に『これならわかるネットワーク』(講談社ブルーバックス、08年5月)、『ネット企業の新技術と戦略がよーくわかる本』(秀和システム、11年9月)。『ビックデータ戦略』(秀和システム、12年3月)、『図解:スマートフォンビジネスモデル』(秀和システム、12年11月)。
ホームページ: http://www.futurebridge.jp

なぜアウトソーシングが必要なのか?

 なぜ、アウトソーシングが必要なのか、その理由は簡単です。自社内部で製作・開発・サービス提供するコストより、外部で同様のサービスを提供しているコストのほうが安いからです。ひと言にアウトソーシングといっても、さまざまな種類があります。企業の情報システムの運用代行もアウトソーシングですし、中小企業向けの経費精算サービスや、自社にかわって営業をおこなう営業代行、あるいは新人研修を外部企業に委託する業務もアウトソーシングです。ここでは、情報システムでのアウトソーシングの効果に絞って話を進めていきましょう。

固定費を変動費に:アウトソーシングを利用するメリット

 情報システム部門におけるアウトソーシングには、当然ながらサービスを利用する側(ユーザー企業)とサービスを提供する側(アウトソーサー)の2者の立場が存在します。ここではそれぞれの立場から、どうアウトソーシングを効率化できるのかを考えてみましょう。

 アウトソーシングを利用する側にとってのメリットは、前述のようにコスト削減が主目的となります。そこでまずは、情報システムにおけるコストを「第1回 固定費と変動費」で触れた枠組みで考えてみましょう。

 自社で情報システムを構築・運用する場合、このコストの主な項目は、構築・運用のための人件費(固定費)、あるいは、ハードウェア(サーバ、ストレージなど)などの設備投資に対する減価償却(固定費)など、売上高とは関係なく発生する固定費がその多くを占めます。

 しかし、情報システムの構築・運用をアウトソーシングに切り替えた場合、この固定費を変動費として扱うことができます。たとえば、業務システムの一部を自社開発する場合、その業務システムの開発中は自社内のリソースを有効活用できます。ただし、一旦開発が終わって、次の開発スケジュールが見えない場合、アイドリング(空き)が発生するものの、開発部隊の人件費などは固定費として発生してしまいます。一方、こうしたソフトウェア開発を、受託ソフトウェア開発企業や、あるいはインド、中国にオフショア開発に委託し、開発規模に応じた業務委託費として支払えば、変動費として扱うことができます。

 歴史を振り返ると、企業にコンピュータの導入が開始されたのは、1960年代ですが、当時は自社でコンピュータを購入し、自社内に設置し、IT技術者を雇って、自社内で業務アプリケーションを開発していました。ただし、コンピュータの導入が企業内で拡大するにつれて、自社ではすべてのアプリケーションを開発することができなくなり、前述の受託ソフトウェア開発企業(いわゆるシステムインテグレータ)に業務委託することになります。

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