開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン

  • 会員限定
  • 2010/02/15

関西流ベタベタIT商法の挑戦60~マイレージ、マイライフに学ぶ人情リストラのすすめ

合同会社 関西商魂 代表 中森勇人

アカデミー賞の5部門にノミネートされ、注目を浴びているのがジョージクルーニー主演の「マイレージ、マイライフ」。日本では3月20日から全国ロードショーがはじまるが、この映画のテーマは深刻な社会現象となっているリストラである。

社員は道具ではない

 ライアンの行動は何も映画の世界だけのことではない。実は私自身がサラリーマン時代にライアンのような上司に会った経験がある。当時、私はリストラ宣告の後、会社と闘い5年近くの間、いくつもの部署をたらい回しにされ、上司は8人も入れ替わった。家族の生活のことや会社に尽くしてきたという思いもあったが、何より社員を使い古した道具のようにポイ捨てにする会社の態度が許せなかった。

 「こうなったら会社と差し違えても居続けてやる」とマスコミに情報を流して、リストラに対抗するための本まで出版した。余談ではあるが、出版後ジャーナリストとして取材を重ねているうちに、私と同じような行動をとっている社員があまりのも多いことに驚かされた。

 ある者は個人加入の組合に駆け込み、社長を前に団体交渉をおこない、ある者は会社を訴える。他にも実名でテレビに出演し、会社の信用を揺さぶる行動を取る者など、経営者にとっては目の上のタンコブのような存在となってしまっているのだった。

 私自身も会社から給与をもらいながら、大した働きもできず、同僚に申し訳ない気持ちで一杯だった。どうしたらよいのか分からず、ただただ抜け殻のように出社していた。他の社員のモチベーションを落とすことにもなり、早く何とかしたいと考えていた。

 しかし、リストラ宣告の時に受けたトラウマやモノ扱いされた事実は消せるものではない。このジレンマを解決してくれたのがライアンのような上司だった。その上司は多くを語らず、ひたすら私に対して謝り続けた。「会社がしてきたことはとうてい償えるものではない。本当に申し訳ない。できることならこの会社のためにもう一度貢献して欲しい。私にできることがあれば何でも言って欲しい」と上司は言った。

 この瞬間、自分の中でわだかまっていた会社への怒りや恨みが消えていくのがわかった。会社の否を認めただけでなく、今までの働きを認めてくれた。「これで救われる」と何かホッとしたことを昨日のことのように思い出す。 <br><br>  数ヶ月後、上司に頼んだのは早期退職プログラムの適用だった。肩の荷を降ろした私は自ら会社を辞める道を選んだ。5年もの歳月を費やしてやっと退職することができた。もっと早くこの上司に出会えていれば無駄な時間を浪費しなくても良かったのにと悔やまれてならない。

 社員を単なる労働力として扱うのではなく、人として対応する。実はこれだけで多くのリスクを回避できるのだ。訴訟によって無理矢理、会社に頭を下げさせる、団体交渉でテーブルを叩きながら謝罪と解決金を請求する、マスコミに強硬なリストラをリークされてから仕方なく謝罪をする。このどれもが回避できるわけである。効率よく社員を辞めさせるプログラムがあるというコンサルタントの甘い言葉に乗ってしまい、間違ったリストラをしたことを謝罪し、話し合いを仕切直せばいいのだ。

この続きは会員限定です

ここから先は「ビジネス+IT」の会員の方(登録は無料)のみ、ご利用いただけます。

今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。

すべて無料!ビジネスやITに役立つメリット満載!

  • 1

    インタビューから事例記事まで、ここでしか読めない1万本超の記事が無料で閲覧可能

  • 2

    導入事例資料や技術資料、デモ動画などを無料でダウンロード・閲覧可能

  • 3

    年間1,000本以上、会員限定のスペシャルセミナーにご招待

  • 4

    ビジネス+IT編集部が必読記事を、メールマガジンでお知らせ!

人件費削減 ジャンルのトピックス

人件費削減 ジャンルのIT導入支援情報

関連リンク

PR

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!