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  • 2010/09/08

【最新電子マネー動向】交通系と流通系の機能を併せ持つ「nimoca」躍進、WAONがシェア拡大--野村総合研究所 和泉隆則氏

電子マネーの買い物が過半数を突破

「決済手段として電子マネーの普及や利用が進んでいる」野村総合研究所 コンサルティング事業本部 金融戦略コンサルティング部 コンサルタントの和泉隆則氏はこう指摘する。多くの人が持つようになった電子マネーは、特に首都圏では98.6%の人が保有するまでに普及したという。人々の生活に根付いた電子マネーの使われ方、地域別の特色、今後のトレンドなどについてご紹介する。

百瀬崇

百瀬崇

1970年生まれ。ガラスびんメーカー勤務を経て、2001年、広告制作会社に入社。主に企業PR誌の制作に携わる。2005年出版社に入社。通信業界ビジネス誌の編集記者として、雑誌制作全般に携わる。2007年にフリーランスのライター・エディターとして独立し、現在に至る。屋号は「Cipin(シピン)」。得意分野はビジネス全般。なかでもIT、通信業界での取材経験が豊富で、ウェブサイトや雑誌への執筆活動を精力的に行っている。

交通系と流通系の機能を併せ持つ「nimoca」が躍進

 野村総合研究所は、2007年から毎年、「電子マネーに関するアンケート調査」を行ってきた。4回目となる調査は2010年6月、札幌市、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)、東海(愛知、三重、岐阜)、近畿(大阪、京都、兵庫、奈良)、福岡県に住む18歳以上の男女2250人を対象に実施している。なお、調査対象の電子マネーは、以下の独立系3種、交通系9種、流通系2種、クレジット系4種の合計18種類である。

独立系鉄道系流通系クレジット系
Edy
JAL ICクーポン
taspo/ピデル
Suica
PASMO
ICOCA
PiTaPa
TOICA
nimoca
SUGOCA
Kitaca
SAPICA
nanaco
WAON
QUICPay
iD
Smartplus/Visa Touch
PayPass
出典:野村総合研究所,2010

 和泉氏はまず、電子マネーの保有状況について言及。調査の結果、電車通勤・通学者が多い首都圏では、交通系のSuica(保有率65.3%)やPASMO(同43.0%)が優位に立っていることが分かった。そのほかに特徴的な点としては、札幌市で流通系のWAONとnanacoの保有率がそれぞれ37.6%、23.1%と比較的高く、福岡県で交通系の「nimoca(ニモカ)」の保有率が34.0%と高いことが挙げられる。

画像
電子マネーの保有状況
(出典:野村総合研究所,2010)

 他方、クレジット系の電子マネーは総じて保有率が低く、「後払い方式の電子マネーの普及が進んでいない」ことが判明した。

 地域別に電子マネーの保有状況を見ると、札幌市では独立系のEdyが保有率39.6%と首位に立つが、前年より14.3ポイント伸ばしたWAONが37.6%と猛追している。また、首都圏では、前述の通り交通系の電子マネーが強い。

 東海ではEdyが対前年比6.8ポイント増で保有率32.3%で首位に立つが、札幌市と同様、WAONが対前年比12.3ポイントアップの29.0%で追い上げを図っている。近畿では、Edyの保有率が首位だが、ほかの都市圏と比べると各電子マネーの保有率が拮抗している。福岡県では、nimocaが対前年比20.2ポイントの大幅増を記録。Edy、nanaco、WAONを抜き、保有率34.0%で首位に立った。

 nimocaは、西日本鉄道の100%子会社であるニモカが発行する電子マネー。交通系のカードながら、西鉄グループの商業施設で利用できるほか、西鉄グループ以外での一部の商業施設でも電子マネーとしての取り扱いを実施している。「鉄道の利用に便利な交通系の電子マネーと、ポイント戦略で優れる流通系の電子マネーの中間に位置するもので、今後の動向に注目したい」と和泉氏は話す。

 電子マネー保有率の対前年比は、いずれの地域でも増加している。特に首都圏では昨年より15.7ポイント上昇し、98.6%の保有率を記録。ほぼすべての人が電子マネーを保有している状況だ。また、そのほかの地域でも7割前後の保有率に達している。

画像
電子マネーの保有率の推移
(出典:野村総合研究所,2010)

【次ページ】新規保有者の獲得に成功したWAONがシェア拡大

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