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  • 2021/03/04

フードトラック(移動販売車)は本当に救世主? 外食大手も参入、専門家はどう見たか

コロナ禍に見舞われた2020年、売上減に苦しんだ外食産業でもデリバリー(宅配)の市場規模は前年比1.4倍に拡大していた。今、デリバリーの次の成長業態と目されるのが、フードトラック(移動販売車)である。東京都での許可件数は6年間で1.4倍伸び、大手外食企業も参入している。エヌピーディー・ジャパンのフードサービスシニアアナリストの東 さやか氏は、「大手外食チェーンにとっては固定費を削減できるが売上の確保が課題」と指摘する。フードトラックは、コロナ禍に苦しむ外食業の救世主になれるだろうか。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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コロナ禍を機にフードトラックの常識が変わりつつある
(写真はイメージです)
(Photo/Getty Images)


コロナ禍の2020年、4割以上伸びた「デリバリー」

 東京都の新型コロナウイルス新規感染者が2000人の大台を超え、2021年1月7日、2回目の緊急事態宣言が発令された。2020年4月に発令された1回目の緊急事態宣言による売上の大きな落ち込みから徐々に回復をみせていた外食産業だが、再び大きな打撃を受けている。

 とはいえ、コロナ禍ですべての外食関連業種の業績が壊滅状態に陥ったかと言えば、そうではなく、業績が伸びた業態もある。

 その代表が、デリバリー(出前)だ。「巣ごもり」で外出が手控えられ店舗に食べに行くイートインも、店舗から持ち帰りするテイクアウトも落ち込んだが、店舗から配達してもらうデリバリーはおおむね好調で、「Uber Eats」「出前館」のような配達を代行するニュービジネスが脚光を浴び業績を伸ばした。


 そんなデリバリーの快調さは、数字にはっきりあらわれた。独自調査の「CREST」に基づく「外食・中食調査レポート」を発表しているエヌピーディー・ジャパンは、2020年12月、その年の通年の外食デリバリー(出前)の市場規模見込みを6,030億円とはじき出した。

 前年比の増加率は44.2%。それ以前の年間増加率が2~5%台だったのと比べると、突出した急増ぶりをみせた。

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外食デリバリー(出前)の市場規模とその増加率の推移

 エヌピーディー・ジャパンのフードサービスシニアアナリスト、東 さやか氏は、その第一の要因に「新型コロナウイルスの感染拡大の影響」を挙げる。

「感染拡大の第3波が年末年始を襲う事態になり、家族層にも利用が広がるデリバリーは需要を拡大しています。ウィズコロナの生活がまだまだ続くと想定される中、外食企業はデリバリーを強化することでビジネスの回復につながるでしょう」(東氏)

 月別では、1回目の緊急事態宣言が続いていた2020年5月の増加率は前年同月比205%で、約2倍を記録した。第3波の11月も68%増と再び増加に転じている。

静かな盛り上がりを見せる「フードトラック」

 もっとも、巣ごもりする消費者を宅配で直撃できるデリバリーも必ずしも無敵とは言えない。

 たとえば、「つくりたて」をアピールしたくても店舗からの距離という物理的な限界がある。配達中に冷めてしまうと店内飲食と同等の味は保証できない。デリバリーは「Uber Eats」のような配達代行業者が介在しても、多くの場合、「店で出すものと味が違う」と言われたりするようなリスクを店舗が被る。デリバリーの営業に二の足を踏んだり、否定的な意見を口にする料理人や経営者がいるのは、そんな事情もある。

 それなら、キッチンをお客さんのすぐそばまで持っていけばいい。そうすれば新しい顧客層も開拓でき、売上も伸びる──そんな発想でコロナ禍以来、大手も含めた外食企業の間で静かな広がりをみせているのが、キッチン付きの自動車を用意し、移動した先で調理して提供する「フードトラック(キッチンカー、ケータリングカー)」という業態である。

【次ページ】コロナ前から外食産業の成長チャネルだった

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