- 2023/04/11 掲載
再送-国内外の環境団体、日本の6社に株主提案 3メガ銀全行対象=関係者
(3段落目の脱字を補います)
[東京 10日 ロイター] - 国内外の環境団体が共同で、3メガ銀行や東京電力ホールディングスなど日本企業6社に気候変動対策の強化を求める株主提案をしたことが分かった。日本企業が同様の株主提案を受けるのは4年連続。化石燃料に関わる事業を資金面で支える金融機関については早急な対応が必要として、今年は初めて大手3行を同時に対象とした。
事情を知る関係者が10日、明らかにした。2050年に炭素排出量を実質ゼロにする目標の実現に向けて、より信頼性の高い移行計画や投融資方針の策定などを求める。
株主提案をしたのは、豪マーケット・フォースと気候ネットワークのほか、国際環境非政府組織(NGO)のFOEジャパンとレインフォレスト・アクションネットワークに所属する個人株主。気候ネットワークは20年から株主として日本企業に対策強化を提案し、その後他の団体も加わった。
提案先は3メガ銀と東京電力のほか、中部電力と三菱商事で、三菱UFJとみずほ両フィナンシャルグループ以外は昨年と同じ顔ぶれとなった。銀行については過去3年間、毎年1行を対象としてきたが、国内外の新規石油・ガス開発事業を資金面で支援している大手銀に早急に対策を迫る必要性が高いと考え、3行へ同時提案することを決めた。
三井住友フィナンシャルグループ、三菱商事、東京電力、中部電力は提案を受けたことは事実と回答。このうち、東京電力を除く3社は、内容を検討した上で対応するとした。三菱UFJとみずほは回答を控えた。
気候変動対応をめぐる株主提案は世界で活発化しており、日本でも2020年のみずほへの株主提案を皮切りに徐々に増えている。可決には出席株主の議決権3分の2以上の賛成が必要で、ハードルは高いが、これまで提案を受けた企業は自主的に対策を強化、情報開示も拡充している。
例えば2021年に提案を受けた住友商事は、株主総会を控えた5月に、石炭火力発電からの撤退計画などを打ち出した。
今年は大手3行に対し、一部海外勢との比較で新規の石油・ガス開発事業への支援を制限する対策が遅れていることや、既存の石炭火力発電所の稼働を延命させるアンモニア混焼技術を推進していることなどを問題点として指摘した。
電力2社に対しては、既存の発電設備で水素やアンモニアの混焼させて排出削減を狙うやり方が政府の成長戦略として推奨されているが、科学的・経済的に疑問視する声も出ていることから、効果の真偽を判断するための情報公開を求めている。
(山崎牧子 取材協力:大林優香、清水律子 編集:久保信博)
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