- 2023/04/28 掲載
ECB幹部、流動性要件など銀行規制修正訴え CDS監視も
ユーロ圏の金融機関は先月の銀行を巡る混乱をうまく乗り切ったが、リスクも露呈した。SNS(交流サイト)の影響により、想定を超える速さで銀行預金が流出することが懸念され、流動性と破綻処理のルールが適切かどうか疑問が生じている。
20カ国・地域(G20)の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)の議長でもあるクノット氏は「米シリコンバレー銀行から預金が引き出されたスピードは予想よりもはるかに速く、流動性カバレッジ比率(LCR)の計算で考慮されているよりもずっと速かったことは否定できない」との認識を示した。
その上で「LCRの計算を調整すべきか、あるいはストレステスト(健全性審査)を改善すべきだろうか」と述べた。
ビルロワドガロー氏もテクノロジーやSNSにより以前よりも資金移動が速くなっているとして、流動性ルールの変更について少なくとも議論する必要があると訴えた。
同氏はまたユーロ圏の銀行破綻処理制度について、過去9年間で2件しか破綻処理が行われていないのは「少なすぎる」と指摘。少数の銀行を処理するための制度から中小銀行を含む「多数のための」制度に移行すべきと主張した。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場の監視強化も必要とし「(CDS市場の)流動性不足と不透明性がドイツ銀行に混乱をもたらした」との見方を示した。
「このような機能不全の市場がシステミックリスクを伴うことを受け入れるべきではない」と述べ、監督当局はCDS市場についてより深く理解する必要があると強調した。
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