- 2023/04/28 掲載
日経平均は続伸、日銀政策修正への懸念が後退 年初来高値を更新
日経平均は248円高で始まった後に伸び悩む場面もあったが、午後に日銀による緩和政策の現状維持の決定が伝わると強含んだ。市場では4月会合での政策修正はないとの見方がもともと優勢だったものの、修正や修正の予告への警戒感は一部ではくすぶっていた。
日銀の決定を受けてドルは133円台後半から135円台へと上昇し、輸出関連株を中心に相場を支援した。海運や不動産も上げ幅を拡大した。
米当局が中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクの救済に向けた緊急協議を調整しているとの関係筋の話が報じられたこともリスク選好の地合いを強め、日経平均は一時421円高の2万8879円24銭に上昇した。
日銀の結果発表後は銀行株がマイナスに転じ、保険は上げ幅を縮めたが、大引けにかけては持ち直す動きとなった。
日銀の金融政策を巡っては、今回だけでなく次回会合での修正の懸念も事前にくすぶっていたが、日銀は1990年代後半以降の金融緩和策を対象に1年から1年半程度かけて検証すると決めており「(6月会合での修正への)懸念も和らいだのではないか」(三菱UFJ国際投信の石金淳チーフストラテジスト)との見方が聞かれた。
昨年の夏場以降、資源エネルギー価格が下がっていることから「コスト削減効果が今後、出てきやすい。米景気が大崩れしない限り、日本株は夏場にかけて株高が見込めるだろう」(石金氏)との見方が聞かれた。
TOPIXは1.23%高の2057.48ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比1.23%高の1058.68ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は3兆7751億4200万円だった。東証33業種では、値上がりは電気・ガスや機械、輸送用機器など32業種で、値下がりは銀行の1業種だった。
トヨタ自動車や東京エレクトロンが堅調。ソフトバンクグループもしっかり。アステラス製薬は年初来高値を更新した。一方、日立製作所は軟調。三菱UFJフィナンシャル・グループは小安かった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1659銘柄(90%)、値下がりは155銘柄(8%)、変わらずは21銘柄(1%)だった。
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