豪予算案、物価対策と大幅増の国防費　今年度は15年ぶり財政黒字

［シドニー　９日　ロイター］ - オーストラリアのアルバニージー首相率いる労働党政権は９日、２０２３／２４年度（７─６月）予算案を発表した。雇用の強い伸びと資源業界からの税収増加を受け、今年度は１５年ぶりの財政黒字を見込んだ。

チャーマーズ財務相は、物価高に苦しむ家計向けに数十億ドル規模の生活費軽減策を発表。「責任ある、的を射た支援が予算の最優先事項」と述べた。

２２／２３年度は４２億豪ドルの財政黒字を予想。８カ月前は３７０億豪ドルの赤字を見込んでいた。財政黒字は０７／０８年度以来となる。

２３／２４年度の財政収支は１３９億豪ドル、国内総生産（ＧＤＰ）比０．５％の赤字を予想。純債務はＧＤＰ比２２．３％。

ＧＤＰは１．２５％とし、２２／２３年度の３．２５％から減速を見込む。

豪準備銀行（中央銀行）の利上げがインフレ抑制に有効との見方から、現在７．０％程度のインフレ率が２４年半ばまでに３．２５％に低下すると予想。生活費軽減策だけで２３／２４年度の消費者物価伸び率を０．７５％ポイント押し下げると試算した。

予算の内訳では、国防費を第二次世界大戦後で最大規模の上積みをした。豪州は英米との協力で配備する原子力潜水艦に２０５０年代までに３６８０億豪ドルを投じる計画だ。