- 2023/05/11 掲載
米プライベートクレジット業界、地銀混乱による融資縮小で新たな商機期待
米連邦準備理事会(FRB)の銀行融資担当者に対する調査によると、今年第2・四半期に融資基準を厳格化した割合は約46%と、昨年第4・四半期の39%から上昇。その結果、中小銀行が主に手がける商工業ローン残高は4月26日までの週が2兆7600億ドルと、1カ月前の2兆8200億ドルから減少した。
こうした中で不動産投資会社CONTIキャピタルのカルロス・バス最高経営責任者(CEO)は「銀行の貸し出しが鈍化し始めるとともに、この穴は別のセクターで埋められることになる」とロイターに語った。
世界有数の規模でプライベートクレジットを展開しているブラックストーンは、銀行の後退に伴って事業を拡大する「絶好の瞬間」だとの見方を示した。
こうした投資会社は、特に地銀が主役だった商業不動産と居住用不動産向けの融資事業に妙味があるとみている。キャピタル・エコノミクスによると、商業不動産ローン残高のおよそ70%は地銀が占めている。
最近破綻したファースト・リパブリック銀行の商業不動産ローンと商業建設ローンの残高は134億ドル余り。シグネチャー銀行も商業不動産などが主体のローン残高が600億ドルだったことが、連邦預金保険公社(FDIC)のデータで確認できる。
ペニントン・パートナーズのマネジングディレクター、スミット・ハンダ氏は、とりわけシグネチャー銀行の破綻を受けて新規取引が見込めると述べた。
オプト・インベストメンツの投資運用責任者マット・マローン氏は、多くのプライベートクレジット・ファンドは手元に潤沢な余剰金があると指摘した。
米国で景気後退リスクが浮上する中で、貸し手の立場が強まっているためプライベートクレジット投資家は1年前より少なくとも4%高い利回りや、融資条件のつり上げが期待されるとの声も聞かれた。
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