- 2023/05/12 掲載
TOPIX採用企業の今期予想、供給網正常化などで0.2%増=SMBC日興集計
11日までの発表分(754社、開示率52.6%)に、市場予想などを加味して試算した。SMBC日興証券・株式調査部の安田光氏は今期予想について「想定ほどには悪くない」とみている。市場予想のみの場合は4.7%増だが、市場予想に比べ会社予想の方が保守的になりやすい傾向が例年ある上、両者の乖離も大きくないとみている。
ソフトバンクグループを除くと会社予想は5.7%減の減益で、市場予想は0.7%減となる。安田氏は「コンセンサス(市場予想)ベースではプラスの着地になるとみられる。アナリスト予想で今後、一段と下方修正が増加するようなガイダンス(会社予想)ではないだろう」とみている。
会社予想では、製造業が同2.0%増の一方、非製造業は同3.2%減となる。プラスに寄与するセクターは、エネルギー・資源価格が高騰した前期にコスト増がマイナスに作用した電気・ガスや、半導体需給の改善によって販売台数増が期待される自動車などの輸送用機器、コロナ禍からの一層の社会・経済活動正常化がプラスとなる陸運などで、前期に市況高騰の恩恵を受けた卸売や海運はマイナスとなる。
今後のリスク要因は「世界経済の減速スピード」(安田氏)という。米経済が想定以上に減速すれば、最終需要の落ち込みが企業業績に影響する可能性がある。為替は円高が急速に進む事態に注意が必要だという。現時点での会社予想による想定為替レートはドル/円で約130円の試算としている。
2023年3月期実績の純利益は同7.4%増で、金融を除けば8.1%増となっている。自動車の生産正常化が遅れた製造業が5.5%減の一方、非製造業は34.7%増で、非製造業の寄与が大きい。
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