- 2023/05/16 掲載
FRB当局者、追加利上げの可能性に言及
市場では、次回6月13─14日の連邦公開市場委員会(FOMC)では金利は5.00─5.25%に据え置かれるとの見方が多くなっている。
ただ各氏はこの日、まだ結論は出ていないとの認識を改めて強調。前回のFOMC以降に発表された指標では、労働市場は依然強くインフレの改善が進んでいないことが示されたとしている。
リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、インフレが比較的速く低下し、経済が緩やかに減速する展開も想定できるものの、「まだ確信が持てない。インフレを必要な水準まで下げるには、需要にもっとインパクトを与える必要があるのではないかと考えている」と述べ、さらなる利上げの可能性を示唆した。
また、FRBの利上げ効果は出始めているが、米経済は多くの面で耐性を保っているとし、「失業率の面ではレッドホットからホットに落ち着いたと言えるのではないか」とも語った。
次回のFOMCまでに発表される経済指標は多く、銀行の信用問題や連邦債務上限を巡る不確実性が存在していることなどを踏まえ、6月の会合で利上げを支持するか判断を保留していると述べた。
アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、これまでの利上げの効果はまだ十分にでていないとして、金利据え置きに傾いているとの認識を示した。
過去に政策がオーバーシュートし経済に悪影響を与えた歴史を踏まえ、そういった事態を回避する必要性に言及した。
ただその一方で、それでももし必要なら追加利上げにオープンとの考えも強調。
CNBCに対し、インフレ率が市場参加者が考えているほど急速に低下するとは思えないとして、年内の利下げは想定しておらず、逆に「上げる必要がある」との見方を示した。
「行動にバイアスがあるとすれば、私としては、引き下げではなく、もう少し引き上げる方向になる」と述べた。
ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、FRBには「もっとやるべきことがある」と指摘。インフレ率は低下し始めているが、FRBの物価目標である2%に回帰するまでには長い道のりがあるとし、FRBは数カ月間の好ましい良好なデータに「惑わされるべきではない」とした。
またシカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、5月のFOMCで利上げを支持した自身の決断について「ぎりぎりの判断」だったと述べた。最近の銀行危機による信用収縮の影響を考慮したためという。
これまでの利上げの効果はまだ十分に表れていないため、慎重なアプローチが必要との認識も示した。
その一方で、次のEOMCに対してはオープンマインドだと付け加えることは忘れず、今後発表されるデータのより慎重な分析が必要と強調した。
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