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  • 2025/07/22 掲載

驚異「400組待ち」スシロー、悲惨「11億円赤字撤退」くら寿司……運命分けたあの選択

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回転寿司チェーン、スシローとくら寿司の中国市場における運命は正反対に分かれた。スシローは75店舗を展開し、北京の店舗では400組待ちとなる異常な人気ぶりだ。一方、くら寿司は2023年進出からわずか2年で約11億円の損失を出し、完全撤退という結末を迎えた。日本では人気を二分する寿司チェーンだが、なぜ中国でこれほど明暗が分かれたのか。その背景には、ある重要な判断の違いがあった。
執筆:ITジャーナリスト 牧野 武文

ITジャーナリスト 牧野 武文

消費者ビジネスの視点でIT技術を論じる記事を各種メディアに発表。近年は中国のIT技術に注目をしている。著書に『Googleの正体』(マイコミ新書)、『任天堂ノスタルジー』(角川新書)など。

中国の最新技術とそれらが実現させる最新ビジネスをレポートする『中国イノベーション事情』を連載中。

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スシローの英断とくら寿司の失策
(写真:beeboys / Shutterstock.com、西村尚己/アフロ)

約11億円の損失……2年で撤退した「くら寿司」

 中国の上海市に3店舗を展開していた「くら寿司」が中国市場から完全撤退することを決めた。2023年6月に進出し「10年以内に100店舗」の目標を立てていたが、それは叶わなかった。

 運営していた台湾の子会社「亜州蔵寿司」の財務報告書によると、約2年間に累計で2億2,848万ニュー台湾ドル(約11.4億円)の損失を出す結果になった。

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くら寿司の中国事業の売上高と利益。2024年は売上と赤字幅が縮小し、順調に見えたが、2024末から売上が伸びなくなってしまった
(出典:亜州蔵寿司 財務報告書)

常に行列・予約は2カ月待ち、中国で絶好調の「スシロー」

 一方、2021年9月と一歩早く進出していた「スシロー」は現在中国で75店舗を展開し好調だ。

 特に北京市の9店舗はいずれも“過熱”と言える人気で、5月の連休時には待ち行列が400組を超える店舗も出た盛況ぶりだ。オンラインから順番待ちの受付ができ、呼び出し時にいなければ自動キャンセルとなるため、「受付だけした」という人もかなり含まれているものの、店舗前には常に数十人が並んでいる状態が続いている。さらに、予約もピーク時には2カ月先先までいっぱい、執筆時点でも3週間先でないと空きがない状態だ。

 くら寿司とスシローは、日本では店舗数でスシローがリードしているものの、人気を二分するライバルだ。どちらも高コスパであり、利用額に応じた抽選があるなどのエンタメ性も兼ね備えている。中国でここまで明暗が分かれた要因はどこにあったのだろうか。 【次ページ】くら寿司は見落とした……?明暗を分けた要因の背景
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