- 2023/05/17 掲載
米デフォルトで景気後退の恐れ、イエレン財務長官が再度警告
[ワシントン 16日 ロイター] - イエレン米財務長官は16日、連邦債務上限が引き上げられず、米国がデフォルト(債務不履行)に陥れば、何百万人もの国民が給与の支払いを受けられなくなり、雇用や企業に大きな打撃をもたらすリセッション(景気後退)が引き起こされる恐れがあると警告した。
イエレン長官は15日、債務上限を引き上げなければ6月1日にも政府の債務支払いを履行できなくなる恐れがあるとの見通しを改めて表明。
この日に行った米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)向けの講演で、債務上限が引き上げられなければ、航空交通管制、法執行、国境警備、国防、通信システムなどを含む連邦政府の業務が混乱し、過去に例を見ない経済・金融危機が一段と悪化する恐れがあると指摘。「世界的なパニックによってマージンコールや資金繰りが悪化し、多くの金融市場が崩壊することは十分に考えられる」と警告した。
その上で、債務上限を巡る対立で借入コストが上昇し、政府の債務負担が増大していると指摘。史上初の米国の格付け引き下げにつながった2011年の債務上限引き上げ問題を引き合いに出し、「残された時間は少なくなっている。議会が行動を起こさない日が続くたびに、米経済の減速につながりかねない経済コストが増大している」と述べ、議会に対し「瀬戸際政策」を行わないよう呼びかけた。
バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長らは米東部時間16日午後3時から債務上限を巡り協議を行う。
*写真を差し替えました。
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