- 2023/06/01 掲載
債券市場の機能度DI、5月はマイナス46 金利落ち着き改善=日銀
[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した「債券市場サーベイ」の5月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス46となった。2015年2月以降で最低となった前回2月調査(マイナス64)から大きく持ち直し、22年2月調査以来5期ぶりの改善。日銀の早期政策修正観測が後退する中、金利が落ち着いた動きとなり、マイナス圏ながら市場機能が改善した。
機能度判断DIのうち「3カ月前と比べた変化」は前回のマイナス55からプラス14に急上昇。20年8月調査以来の高水準となった。
機能度や流動性についての各論でも改善が目立った。前回マイナス57となり過去最低となったビッド・アスク・スプレッドのDIはマイナス43。「3カ月前と比べた変化」はマイナス50からプラス12に大きく改善した。市場参加者の注文量のDIもマイナス58からマイナス45に改善、「3カ月前と比べた変化」はマイナス46からマイナス2に大きく持ち直した。回答企業からは「イールドカーブの歪みが改善した」「相場が落ち着いてきて、以前より取引がしやすくなった」との声が出ていたという。
現状の機能度判断DIが今回改善したとは言え、マイナス46で引き続き大幅なマイナス圏。日銀の担当者は「市場参加者は国債市場の機能度になお厳しい見方を続けているが、前回調査よりは改善しているとの評価が多い」と述べた。
機能度判断DIは機能度が「高い」と答えた割合から「低い」と答えた割合を差し引いた数字で、マイナスの数字が大きいほど市場機能が低下していると判断している市場参加者が多いことを意味する。調査期間は5月1─10日、日銀の国債売買オペ先や大手機関投資家など70社を対象に調査を行った。
<金利見通し、一部で引き下げ>
金利見通しでは、日銀の政策修正観測の後退もあって長期金利(新発10年国債利回り)の先行き見通しの中央値が一部で前回を下回った。23年度末で0.65%(前回0.75%)、24年度末で0.75%(同0.75%)。今回新たに追加された25年度末は0.75%。
超長期ゾーンも、海外金利の低下で一部で見通しが引き下げられた。20年債利回りでは、23年度末が1.30%(同1.40%)、24年度末は1.40%(同1.40%)。25年度末は1.40%。30年債利回りでは、23年度末は1.50%(同1.70%)、24年度末が1.60%(同1.70%)。25年度末が1.60%。
(和田崇彦)
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