- 2023/06/01 掲載
ユーロ圏インフレ率、5月6.1%に鈍化 コアも予想以上に低下
[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が1日発表したユーロ圏の5月の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比6.1%上昇と、前月の7.0%上昇から鈍化した。
ロイターがまとめた市場予想の6.3%上昇を下回った。
食品、エネルギー、アルコール、たばこを除いたコアインフレ率は5.3%で、前月の5.6%から鈍化した。予想は5.5%だった。
サービス価格は5.2%上昇から5.0%上昇に鈍化。工業品価格は6.2%上昇から5.8%上昇に鈍化した。
食品価格は13.5%上昇から12.5%上昇に鈍化。
INGのエコノミスト、カールステン・ブルゼスキー氏は「欧州のインフレ見通しは2つの相反する要因に大きな影響を受けている」と指摘。
「エネルギー価格は暖冬の影響で予想を下回っており、総合インフレ率を先の想定以上のペースで押し下げる公算が大きい。一方、最近の賃金妥結とサービス価格の圧力継続でコアインフレ率は高止まりする可能性が高い」と述べた。
ユーロ圏の賃金上昇率は5─6%で推移している。
エコノミストの中には、コアインフレ率が予想以上に低下したことから、ECBの引き締め余地はあまり残されていないと見る向きもいる。
コメルツ銀行のエコノミスト、クリストフ・ワイル氏は「基調インフレはピークアウトしたと見られる。これは、6月に25ベーシスポイント(bp)利上げして終了というわれわれの見方を裏付けるものだ」と述べた。
市場は欧州中央銀行(ECB)が2回の追加利上げを実施すると予想。6月の利上げと、7月か9月の利上げが予想されている。
ノルデアは「5月の数字、その他の経済データを受けECBは6月と7月に25bp利上げするだろう。その後、据え置くというのが当社の基本予想だ」と述べた。
ラガルドECB総裁は1日、「現在インフレ率は高すぎ、あまりにも長く高止まりしそうだ」と述べ一段の引き締めが必要との見解を示した。
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