- 2023/06/02 掲載
スウェーデンで不動産発の銀行危機リスクは小さい=中銀総裁
不動産各社は最近まで続いた超低金利局面で借り入れを拡大した結果、中銀が過去最速ペースで金融引き締めに転じるとともに一部で身動きが取れなくなったケースが発生。さらにスウェーデンの銀行は不動産セクターへの融資依存度が高いため、最終的に金融システム全体に問題が波及するのではないかとの懸念が広がっている。
しかしテデーン氏は「私はスウェーデンにおける銀行危機のリスクは低いと判断している」と語った。
一方でテデーン氏は「ただし幾つかのリスクは存在する」とも発言。不動産会社は債務圧縮に乗り出しているものの、バランスシートを再び健全化するにはなお時間がかかると述べ、「基本的に今の状況を説明するのは難しくない。つまり借り入れの問題で、これを削減しなければならない。そうでないと一部企業にとって非常に厳しい状況がやってくる」と付け加えた。
不安の中心にあるのは不動産グループのSBBだ。社債格付けが投機的水準に引き下げられ、事業再構築を迫られつつある同社は身売り先を探している。
テデーン氏は銀行に対しては、不動産セクター向けの与信総量は圧縮しないよう呼びかけた。「(銀行の)締め付けが行き過ぎれば、自分たちに跳ね返ってきて、金融システム全体に間違いなく影響する要素を生み出す恐れがある」という。
その上で銀行に「配当支払いや自社株買いを抑制し、財務面のバッファーを強化する」必要があると警告した。
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