- 2023/08/18 掲載
NY市場サマリー(17日)円一段安、利回り上昇 株3日続落
日本円については、昨年9月と10月に政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った水準となる145円台に先週11日に乗せて以来、介入警戒感が高まっている。
終盤の取引で円は対ドルで0.12%高の146.14円。日米金利差を背景に一時は146.56円と、昨年11月以来の水準まで円安が進んだ。
主要6通貨に対するドル指数は0.097%高の103.56。一時は2カ月ぶり高値となる103.59まで上昇した。
7月の住宅着工件数や鉱工業生産指数など、このところ発表された米経済指標が堅調となっていることがドルの支援要因になっている。
こうした中、連邦準備理事会(FRB)が16日公表した7月のFOMC議事要旨で、大部分の」政策当局者はインフレとの戦いを引き続き優先するとした一方、「一部の」当局者は過度な利上げによる経済へのリスクを指摘し、追加利上げの必要性を巡りFRB当局者の意見が分かれていたことが分かった。
フォレックス・ライブのチーフ外為アナリスト、アダム・バトン氏は「FOMC議事要旨を踏まえると、FRBは11月に再利上げを行う可能性がある」としている。
豪ドルは0.44%安の0.64米ドル。7月の雇用統計を受け、一時は0.9%下落した。
ニュージーランドドルは0.24%安の0.592米ドル。一時は昨年11月以来の安値を付けた。
ユーロは0.2%安の1.08565ドル。英ポンドは0.04%高の1.27275ドル。
<債券> 利回りが上昇。10年債利回りは10月以来の高水準となり、30年債利回りは12年ぶりの高水準となった。好調な経済指標を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が高利を長期的に維持するとの見方が強まった。
今週発表された7月小売売上高など経済指標が市場予想を上回ったことを受け、債券利回りは上昇。指標銘柄は2007年の水準に近づいている。
10年債利回りは一時4.328%まで上昇し、その後4.292%まで低下した。10月に付けた4.338%を上回れば、2007年11月以来の高水準となる。
投資家はここ数週間、FRBが来年、予想されていたほど利下げを行わない可能性などを考慮し、利下げ予想を調整してきた。
TD証券(ニューヨーク)で米国金利戦略の責任者を務めるゲンナディ・ゴールドバーグ氏は「市場は利下げを予想してきたが、今では、金利が従来予想よりもはるかに長い期間、高止まりする可能性を織り込み始めている」と述べた。
中国経済の悪化に伴い、中国が人民元買い支え資金を調達するため米国債を売却するとの懸念も、米債市場にとってリスク要因となる。
ゴールドバーグ氏は「中国国有銀行に通貨防衛の指示が出されているため、国債が売られる可能性がある」と指摘する。
関係筋によると、中国の主要国有銀行は今週、オンショアおよびオフショアのスポット為替市場で頻繁に米ドル売り/人民元買いを行っていた。
30年国債利回りは4.426%と、2011年以来の高水準となった。
2年国債利回りは4.961%。
10年債と2年債の利回り格差はマイナス65ベーシスポイント(bp)に縮小。5月25日以来の小幅なものとなった。
<株式> 不安定な地合いの中、主要株価指数が3営業日続落。米ネットワーク機器大手シスコシステムズやエネルギー株が買われたものの、ヘルスケア株の下げが響いた。堅調な経済指標を受け金利が長期にわたり高止まりするとの懸念も重しとなった。
ドラッグストア・薬剤給付管理(PBM)大手CVSヘルスが8%下落し、S&P総合500種を押し下げた。カリフォルニア州の非営利保険団体ブルーシールドが同社のPBMサービスへの依存度を下げ、アマゾン・ドット・コムを含む他企業と提携する計画というニュースが重しとなった。
PBM部門を持つ医療保険大手ユナイテッドヘルスとシグナも売られ、それぞれ1.9%安、6.4%安となり、S&Pのヘルスケア指数を押し下げた。
S&P500は過去3営業日の下落率が2.7%と3月半ば以来の大きさとなった。ナスダック総合は3日間で3.4%下落し、2月以来の大幅な下落率を記録した。
原油価格が上昇し、石油大手エクソンモービルとシェブロンは1.9%、1.7%それぞれ値上がりした。
好調な経済指標を受けて、FRBが金利を現在の水準で長期的に維持するとの見方が強まり、10年債利回りは昨年10月以来の高水準を付けた。
LPLフィナンシャルのチーフ株式ストラテジスト、ジェフリー・バックバインダー氏は「企業の業績が上向くか、利回りが低下するまで株価は短期的に不安定になる可能性がある」と語った。
シスコシステムズは3.3%上昇。第4・四半期(5─7月)決算が予想を上回ったほか、最高経営責任者(CEO)が人工知能(AI)分野のビジネスチャンスについて語ったことが支援材料になった。
製薬大手ファイザーは2.9%高。新型コロナウイルスワクチンについて、オミクロン型から派生した変異株「EG.5」(通称エリス)に対する効果がマウスを利用した実験で確認されたと明らかにした。
小売大手ウォルマートは第2・四半期(5─7月)売上高が予想を上回ったほか、通期見通しを上方修正したが、株価は2.2%下落した。
<金先物> 米長期金利の上昇やドル高が嫌気され、9営業日続落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比13.10ドル(0.68%)安の1オンス=1915.20ドル。
<米原油先物> 対ユーロでのドル安などを背景に買われ、4営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物は前日清算値(終値に相当)比1.01ドル(1.27%)高の1バレル=80.39ドルだった。10月物は0.88ドル高の79.90ドル。
依然として堅調な旅行需要に伴う需要見通しも相場の支援材料。米エネルギー情報局 (EIA)が16日発表した週間在庫統計では、原油在庫は前週比600万バレル減と市 場予想を大きく上回る取り崩し幅となった。
ドル/円 NY終値 145.83/145.85
始値 145.95
高値 146.29
安値 145.63
ユーロ/ドル NY終値 1.0871/1.0875
始値 1.0882
高値 1.0918
安値 1.0857
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*18.00 4.3926%
前営業日終値 96*03.00 4.3600%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*22.50 4.2840%
前営業日終値 96*29.00 4.2580%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*23.25 4.4137%
前営業日終値 98*24.00 4.4080%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*21.00 4.9356%
前営業日終値 99*18.38 4.9800%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34474.83 -290.91 -0.84
前営業日終値 34765.74
ナスダック総合 13316.93 -157.70 -1.17
前営業日終値 13474.63
S&P総合500種 4370.36 -33.97 -0.77
前営業日終値 4404.33
COMEX金 12月限 1915.2 ‐13.1
前営業日終値 1928.3
COMEX銀 9月限 2271.5 +18.0
前営業日終値 2253.5
北海ブレント 10月限 84.12 +0.67
前営業日終値 83.45
米WTI先物 9月限 80.39 +1.01
前営業日終値 79.38
CRB商品指数 274.3914 +0.9315
前営業日終値 273.4599
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