- 2023/08/22 掲載
英公的部門純借り入れ、7月は予想下回る 財務相は税制規律強調
4─7月の純借り入れ額は566億ポンドだった。前年同期の水準を140億ポンド近く上回ったが、予算責任局(OBR)の予測よりも113億ポンド少ない。
ハント財務相は声明で「インフレが鈍化する中で、路線を変えず財政に対して責任ある行動を続けることが重要だ」と指摘。「政府の計画を堅持することによってのみインフレ率を半減させ、経済を成長させ、負債を減らすことができる」と訴えた。
キャピタル・エコノミクスの英国担当副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は金利が依然として上昇し、緩やかなリセッション(景気後退)に入るとみられる中で、ハント氏は財政の見通しについて慎重さを維持すると予想した。
スナク首相が財政規律を危うくせず大規模な恒久的減税や歳出増を秋季予算案に盛り込む余地はほとんどないとの見方を示した。
パンテオン・マクロエコノミクスの英国担当シニアエコノミスト、ガブリエラ・ディケンズ氏は、イングランド銀行(英中央銀行)の利上げ後にOBRは債務支出予想を引き上げる可能性が高く、ハント氏が調整する余地は少なくなるだろうと述べた。
ONSによると、公的債務は2兆5790億ポンド、対国内総生産(GDP)比約98.5%で、前年比2%ポイント近く増加した。1960年代終盤以来の高水準となっている。
7月の金利コストは前年同月比15億ポンド増の77億ポンドと、同月としては1997年4月の統計開始以来の高水準を記録した。しかしONSはインフレが緩和されつつあることを理由に、金利コストはやがて減少するとの見通しを示した。
歳入を押し上げたのは申告所得税収で、118億ポンドと前年比25億ポンド増加した。
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