- 2023/08/22 掲載
中国、経済不確実性への対処が急務 EU商工会議所代表が指摘
経済の減速を受けて中国共産党指導部は政策支援を約束しているが、エスケルンド氏は政策対応が「複雑なメッセージ」を発信しているとし、「中国がどこに向かっているのか疑念がある。この不確実性に対処することが喫緊の課題だと思う」と指摘。
「中国の将来の道筋への信頼回復という点で、今後数カ月が非常に重要だと考えている」と語った。
指導部は苦境に陥っている起業家の支援強化を約束し、海外からの投資拡大を呼びかけるが、信頼感は低いままだ。中国外務省は「巨大な中国市場には多大な成長の可能性と機会がある。今後も市場アクセスの拡大を図り、事業環境の最適化を包括的に進めていく」などと表明している。
エスケルンド氏は「中国は進化していると思う。全てがいつまでも急勾配で上昇し続けるわけではない。だから非常に高い成長がある時点で緩やかになるのは自然なことだ」と述べた。
景気後退入りの可能性は低いとみるが、中国政府は消費促進を優先させるべきと指摘した。また反スパイ法のような外国企業の信頼感を悪化させている曖昧な法律の明確化を図るべきとし、「これらの問題に関し、われわれに確固としたガードレールを与える、可能な限り高度な明確性を確立するというのが、政府に対するわれわれの提言だ」と語った。
会員の欧州企業の間で大規模な中国離れの動きは見られないものの、需要の低迷と地政学的に不安定な状況から企業がサプライチェーンの見直しを迫られていると述べた。
欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は来月、中国を訪問することになっている。ドムブロフスキス氏はEU企業の市場アクセス拡大などを目指すとみられている。
エスケルンド氏は、中国企業と外国企業との間の溝は感じないとする一方で、民間企業と国有企業の間には差があるとの認識を示し、「民間企業が国有企業と対等な条件で競争し関与できることが望まれる」と述べた。
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