- 2023/08/23 掲載
ソフトバンクG、反転攻勢へ=傘下英アーム上場、AI投資強化
ソフトバンクグループ(SBG)は、傘下の英半導体設計大手アームが米ナスダック市場に上場申請したことを機に、停滞していた人工知能(AI)分野への投資などでの反転攻勢につなげる考えだ。上場で得た資金で財務基盤を強化するとともに、アームを引き続き連結子会社とし収益拡大を目指す。
ここ数年、SBGは厳しい経営状況に直面していた。世界的な景気後退懸念を背景に、保有する新興企業株の損失が拡大し、巨額赤字を計上。四半期の投資額は直近のピークだった2021年4~6月期の159億ドル(約2兆3000億円)から急減し、22年7~9月期以降はほぼ停止状態に陥った。財務基盤を改善するため、SBGは「虎の子」だった中国電子商取引最大手アリババ集団の株式を手放した。
SBGの23年4~6月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が4776億円の赤字と依然厳しい状況が続いている。SBGは巻き返しに向け、アーム株上場の機会をうかがってきた。上場で流動性が高まればアーム株の担保価値は増し、SBGの資金調達力は向上。投資強化へ体制が整う。
「反転攻勢の時期が近づいている」。孫正義会長兼社長は6月の定時株主総会で、投資の本格再開に意欲を示した。アームはスマートフォン向けの半導体設計で世界をリードしており、今後のAI関連投資の先端を担う。SBGはアームと出資先企業との連携による相乗効果も期待している。
【時事通信社】
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