- 2025/04/30 掲載
NY外為市場=ドル上昇、関税巡る懸念和らぐ 月末の調整買いも寄与か
ラトニック米商務長官は29日、25%の自動車・部品に対する追加関税の影響を軽減する措置を発表した。米国内で車両を生産する全ての自動車メーカーが対象で、自動車部品のサプライチェーンを米国に回帰するために猶予を与えることが目的。トランプ大統領が同日、大統領令に署名する見通し。
また、ラトニック長官は国名は明かさなかったものの、政権がすでに1カ国と貿易協定で合意していると明らかにした。ベッセント米財務長官も28日、日本を含む主要貿易相手国との交渉が「非常に好調」に進んでおり、最初の貿易合意はインドとの間で締結される可能性が高いとの見通しを示していた。
終盤の取引で、ドル/円は0.2%高の142.22円。しかし4月としては5%超下落し、月間での下げは昨年7月以来最大となる見通し。
ユーロ/ドルは0.2%安の1.1395ドル。月間では、ユーロは5.3%値上がりし、2022年11月以来の大幅な伸びとなる勢い。
ドル/スイスフランは0.6%高の0.8239フラン。ドルは4月に入り約7%下落し、15年1月以来最大の下げを記録している。
UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は、この日のドル上昇について、関税の影響緩和見通しが一助になっているとしつつも、「深読みはすべきではない。月末が近いこともあり、ポートフォリオ調整の一環でドル買いが入ったことも支えとなった可能性がある」と述べた。
今週は第1・四半期の米国内総生産(GDP)や米個人消費支出(PCE)価格指数、米雇用統計など、主要指標の発表が相次ぐ。
シティ・インデックスとフォレックス・ドット・コムの市場アナリスト、ファワド・ラザクザダ氏はノートで「米連邦準備理事会(FRB)が今後数カ月以内に金利調整を迫られるかどうか」が焦点になるだろうと述べた。
29日発表された米指標は経済の緩やかな減速を示した。米労働省が発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は24年9月以来の低水準となった。
4月のCB消費者信頼感指数も20年5月以来の低水準となった。
ドル/円 NY終値 142.34/142.38
始値 142.64
高値 142.75
安値 141.98
ユーロ/ドル NY終値 1.1385/1.1386
始値 1.1378
高値 1.1418
安値 1.1371
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