- 2025/05/08 掲載
任天堂、スイッチ2は今期1500万台計画 社長「立ち上げが最優先」
Ritsuko Shimizu
[東京 8日 ロイター] - 任天堂は8日、2026年3月期の連結営業利益が前期比13.3%増の3200億円となる見通しだと発表した。6月5日に発売する家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の販売は1500万台、ソフトウエアは4500万本を計画している。古川俊太郎社長は会見で「スイッチ2の立ち上げ、ハードの早期普及が最優先事項」と述べ、広告・宣伝費なども増加させる方針を示した。
会社側の営業利益計画は、IBESがまとめたアナリスト26人の予想平均値4404億円を下回った。年間配当は1株129円(前期は120円)に増配する予定。
連結売上高は同63.1%と大幅増収を予想しているのに対し、営業利益は同13%増にとどまる。スイッチ2はまだ粗利益率が低いことや、広告・宣伝費が増加することなどが要因となる。古川社長は、利益率を引き上げるには「ハード1台に対して買ってもらうソフトの数を増加させること」が必要と指摘した。
今期予想は、米関税措置が4月10日時点で課された税率が通期にわたって維持されることが前提となっている。関税は利益に数百億円のマイナス影響として織り込んだ。
米国での予約注文受付は、トランプ政権による関税の影響を分析するため、当初予定の4月9日から4月24日に変更した。価格は449.99ドル(約6万4000円)で変更していない。
古川社長は「どの国や地域でも、販売価格を決める際に関税はコストと認識し、価格に織り込むことが基本的な方針」とする一方で、今回はスイッチ2のハードの早期普及を最優先事項としている。「関税の前提が大きく変わる場合、多面的に考慮したうえで、どのような価格調整を行うかを検討し、実施していきたい」とした。
追加で関税が課され、販売価格を引き上げた場合は米国で需要が減少する可能性があるとしたほか、生活必需品や食料品の価格が上がることで、消費者がゲームに振り向ける予算を減らす影響も懸念されるとした。
スイッチ2の販売計画1500万台は、17年3月の現行機発売から10カ月で達成した約1500万台と同水準に設定した。公式サイトからの抽選には、国内だけで約220万人の応募があるなど、すでに人気となっており、発売日に手元に届く消費者は限られている。古川社長は「すでに生産体制は強化している。発売日以降のできるだけ早い時期に届ける努力をしていく」と述べた。
現行の「スイッチ」については、ハードウエアが450万台(前年比58.3%減)、ソフトウエアが1億0500万本(同32.4%減)の計画とした。
前提為替レートは1ドル=140円(前期は149.48円)、1ユーロ=155円(同161.76円)。
25年3月期の連結営業利益は、前年比46.6%減の2825億円だった。計画していた2800億円とほぼ同水準で着地した。
PR
PR
PR