- 2025/05/16 掲載
SHEIN、ベトナムに巨大倉庫 米中貿易摩擦で機能分散へ
シーインは米国を含めた世界に出荷する衣料品の製造を、中国企業にほぼ全面的に依存している。情報筋によると、倉庫はサッカー場約26面分の大きさとなり、シーインは衣類やアパレルを生産委託先企業から受け取って輸出前に保管するのに使う。シーインは他にもベトナム南部で倉庫を借りることを検討している。
ロイターは、倉庫に収容される製品がどこから来るのかを確認できなかった。ただ、シーインが地盤とする中国南部にある生産委託先企業は、一部の中国メーカーがベトナムに工場を開設したため注文を奪われていると明らかにした。
ロンドン証券取引所への上場を目指しているシーインは、ロイターの質問に答えなかった。同社は以前、生産機能を中国からシフトしていることを否定していた。
電子商取引(EC)のサプライチェーンソリューション企業、グロース・カタリスト・グループの創業者のマニッシュ・カプール最高経営責任者(CEO)は、生産機能を「多角化しないのは危険だ」と指摘した。
トランプ政権が5月2日に中国からの輸入小包に対する関税免除措置「デミニミス」を廃止したのに伴い、シーインが中国から米国へ出荷する小包は関税を課されることになった。今週初めには米国と中国が貿易交渉で合意したことを受け、800ドル相当以下の輸入小包の関税を54%、低額の商業用貨物の関税を30%にそれぞれ引き下げた。
一方、ベトナムから米国へ輸入する小包は800ドル相当以下ならば免税扱いを受けられる。他の対米輸出品は7月までは10%の関税が課され、トランプ氏が貿易相手国に課すと表明した「相互関税」でベトナムが合意に達しない場合には関税が46%へ引き上げられる。
カプール氏は顧客に対し、米国への製品輸出に関して「デミニマス関税免除措置が(間もなく)完全になくなる可能性があると想定するようにと助言している」と説明した。
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