- 2025/05/27 掲載
セブン&アイ株主総会、取締役選任案含む7議案全て可決
[東京 27日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスが27日開いた株主総会で、創業家の伊藤順朗氏や新社長となるスティーブン・ヘイズ・デイカス氏を含む取締役選任案など7議案全てを可決した。新たな社外取締役として、元ファミリーマート社長の沢田貴司氏や松屋会長の秋田正紀氏なども選任され、新体制が発足する。
この後開かれる取締役会で、伊藤氏は代表取締役会長、デイカス氏は初めての外国人社長に選任される見通し。
セブン&アイがカナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受ける中、デイカス新体制の下で、夏ごろには中期計画を策定する予定。コンビニ事業に集中し、今後、北米のコンビニ子会社のIPOなどを含む企業価値向上策を遂行することになる。
伊藤氏は創業家によるMBO(経営陣による買収)を模索。しかし、資金調達のめどが立たず断念した経緯がある。
クシュタールによる買収提案について、井阪隆一社長は「特別委員会主導の下、提案内容の検討・評価、建設的な協議を今現在も進めている。全てのステークホルダーにとって価値最大化を第一に考え、協議でもそれを最優先事項としている」と株主に説明した。
クシュタールによる買収が実現するには、米独占禁止法における規制当局からの承認が必要になるが「現時点では取引成立の確実性が担保できていない」と述べた。「それがなくて統合契約を結ぶと、投資が滞って、企業価値は危機にさらされる」と述べ、現在、承認を得るための明確な道筋を確保できるか否かを見極めるための協議・検討を続けていると語った。
また、並行して、自主施策を前提とした経営上適切な施策を遂行し続けることはステークホルダーの価値最大化の上で重要と指摘。「新たな経営体制の下でクシュタールとの建設的な協議、独自の施策の着実な実行という2つの選択肢を常に比較検討しながら、並行して追求していく」とした。
クシュタールはセブン&アイとスタンドスティル条項などを含む秘密保持契約を締結した。今後、デューデリジェンス(資産査定)を進め、正式な買収提案を行うかどうかなどを判断するとみられる。
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