- 2025/05/29 掲載
午後3時のドルは145円後半へ上昇、米関税差し止めで2週ぶり高値 先行き不透明感も
[東京 29日 ロイター] -
午後3時のドル/円は145円後半と、前日ニューヨーク市場の終盤から1円以上ドル高/円安の水準で推移している。米国際貿易裁判所が米政権の関税措置のうち、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠とした措置の差し止め判断を下したことが手掛かりとなり、一時2週間ぶり高値に上昇した。ただ先行きは不透明で、積極的に上値を追う向きは限られた。
早朝に144円後半で推移していたドルは、裁判所の判断が報じられると急速に買いが強まった。午前10時過ぎには146.29円まで買われ、5月15日以来2週間ぶり高値を更新。その後は戻り売りに押され、146円付近から145円後半で売買が交錯する展開が続いた。
米国際貿易裁判所は28日、トランプ大統領が「解放の日」と位置付けて4月2日に発表した貿易相手国に対する関税を差し止めた。対米貿易黒字を抱える国々からの輸入品に全面的に課税することは大統領の権限を逸脱しているとの判断を示した。トランプ政権は決定を不服として控訴した。
前週は日米財務相会談に関する円安是正の思惑などから、ドル/円は上値が重い展開が続いていたものの、今週は週初から米欧の関税交渉の期限が延長され、関税政策を巡っても前向きな材料が出ていた。
「戻り局面となっていた中でドルが買い戻された。ドルショートがたまっていたドル/円の反応が特に大きかった」(外資系証券幹部)という。ただ、関税の話が覆るわけではなく、「ドルが買われても限界がある」(同)との見方が聞かれた。
三菱UFJ銀行チーフアナリストの井野鉄兵氏も、米政権が控訴したこともあって「引き続き先行き不透明。今のところ、ドルの買い戻しを積極的に進める雰囲気ではない」と話す。米国では減税法案も審議が行われており、10%の基礎的な関税が停止されて税収不足となれば、「財政懸念に伴う債券売り、米国売りにつながる可能性は十分にある」として、ドル買い局面に転じたとは言えないとしている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 145.92/145.97 1.1243/1.1245 164.08/164.09
午前9時現在 145.71/145.73 1.1228/1.1232 163.64/163.65
NY午後5時 144.83/144.85 1.1292/1.1294 163.53/163.61
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