- 2025/06/02 掲載
ブラジル第1四半期GDP前期比+1.4%、25年予測上振れも
25年第1・四半期GDPは前年同期と比べると2.9%増えた。中銀は昨年9月以降に合計で425ベーシスポイント(bp)利上げし、政策金利は14.75%と約20年ぶりの高水準となっている。
IBGEは同時に、24年第4・四半期のGDP成長率を従来の前期比0.2%増から0.1%増へ下方修正した。
25年第1・四半期は金利上昇にもかかわらず、固定投資や家計需要、農業生産の好調が経済活動を下支えした。XPのエコノミスト、ロドルフォ・マルガト氏は農業分野の押し上げが予想を上回ったのに加え、雇用と所得、信用の堅調ぶりが下支えした力強い内需を示していると指摘。XPは25年のGDP成長率が前年比2.3%になると予測していたが、「市場では新たな上方修正の波が押し寄せると予想され、当社は既に楽観的な見方をしていたものの、成長率予測は2.5%に近づくかもしれない」と語った。
キャピタル・エコノミクスの新興国市場担当チーフエコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏はブラジルの25年のGDP成長率予測を従来の1.8%から2.3%へ引き上げた。ジャクソン氏は「支出の内訳に示された内需の力強さは、(中銀の)金融政策委員会(COPOM)がこの利上げ局面で最後となる25ベーシスポイント(bp)の利上げを検討することを示唆している」との見方を示した。
中銀は5月、目標の3%を上回るインフレ率を抑えるために50bpの利上げを決定し、追加利上げの可能性を残した。
25年第1・四半期のGDPのうち農業部門は前期比12.2%伸び、主要輸出品目である大豆の豊作が後押しした。
労働市場の逼迫にもかかわらず、ブラジル経済の約7割を占めるサービス部門は0.3%増。一方、工業部門は0.1%減った。
投資は3.1%増と大きく増加。家計消費も1.0%増え、ルーラ大統領が主導した最低賃金の引き上げなどの可処分所得の増加策が下支えした。政府支出は0.1%増。
政府は、高金利が25年下半期の経済活動にさらに重くのしかかると予想。25年のGDP成長率は前年比2.4%と、昨年の3.4%から鈍化すると予測している。
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