- 2025/06/02 掲載
香港の不動産大手新世界発展、利払い延期で株価と社債が急落
[香港 2日 ロイター] - 香港の不動産大手、新世界発展が6月に予定していた永久債の利払いを見送ると発表したことを受け、同社の資金繰りに対する懸念が強まり2日の金融市場で株価と債券価格が急落した。
同社の債務問題について、市場では2021年に中国本土で顕在化したような不動産危機の前触れではないかとの警戒感が広がっている。
新世界発展は5月30日、4本の永久債について総額7720万米ドルの利払いを見送ると発表した。
これを受け、2日午前の取引で同社の株式は一時7.5%下落した。また、表面利率4.8%の永久債の価格は発表前の1ドル当たり25.4セントから19.090セントまで落ち込んだ。
ブルームバーグ・ニュースによると、新世界発展は総額875億香港ドルの借り換え契約の完了に向けて複数の金融機関と協議を進めており、これらの金融機関に対し6月末までの契約完了を要請した。同社は5月30日時点で、350億香港ドル以上の融資枠を確保しているという。
UBSのアナリストは顧客向けリポートで、今回の利払い見送りによって新世界発展は年間約19億香港ドルの現金利息負担を軽減でき、債務返済能力の改善につながるとの見方を示した。
UBSによると、キャッシュフロー増加とバランスシート改善の取り組みにもかかわらず、永久債を含む純負債は2024年末時点で1650億香港ドルに達し、ネットギアリング比率(純負債比率)は91%に上昇した。
HSBCも調査リポートで「新世界発展は特に不動産販売などさまざまな取り組みを通じて積極的に財務状況の改善を図っているが、事業の回復は依然として見通しにくい状況だ」と指摘した。
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