午前の日経平均は反発、為替の円安進行が支え　買い一巡後はもみ合い

Hiroko Hamada

［東京　３日　ロイター］ -

前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比７６円１８銭高の３万７５４６円８５銭と小幅に反発した。外為市場でドル／円が朝方に比べて円安方向に振れたことが支えとなり、日経平均は底堅い動きとなった。一方、米中貿易摩擦懸念など外部環境の不透明感は残っており、どんどん上げ幅を広げる展開にはならず、終盤は一進一退となった。

日経平均は前営業日比１２７円高でスタートした後、米株先物の軟調な動きが重しとなり伸び悩んだ。ただ、前場中盤からドル／円の円安が進むと日本株もやや上げ幅を広げる展開となった。朝方、１４２円台後半で推移していたドルは、１４３円台前半まで上昇した。日経平均は一時２５８円高の３万７７２９円４５銭で高値を付けたが、前場後半にかけては３万７５００円台を中心にもみ合いとなった。物色動向としては、防衛関連が堅調だったほか、個別材料を手掛かりにした売買も活発となった。

日銀の植田和男総裁は３日、参院財政金融委員会の半期報告で、「将来の利下げ余地のため、経済物価改善が見込めないなか無理に利上げすることはない」などと述べた。

市場では「２週間後に日銀会合を控える中で、植田総裁の発言が注目されていたが、内容はサプライズなく無難通過し、為替が円安に振れたことが株式相場の支えとなったようだ」（ＧＣＩアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・池田隆政氏）との声が聞かれた。池田氏は、日経平均の下値は堅いとしつつも、「外部環境の不透明感は残っており上方向を試す状況ではなく、日本株は横ばい圏の推移が続きそうだ」と話している。

ＴＯＰＩＸは０．１２％安の２７７３．９８ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は１兆９８３１億５１００万円だった。東証３３業種では、鉱業、機械、パルプ・紙など１２業種が値上がり。電気・ガス、不動産、卸売など２０業種は値下がりし、鉄鋼は変わらずだった。

個別では、前日に決算を発表した伊藤園が７％超高と大幅上昇。防衛関連株が引き続き堅調で、ＩＨＩが４％超高。三菱重工業、川崎重工業は連日の年初来高値となった。

指数寄与度の大きいファーストリテイリングは１％超高、アドバンテストは３％高だった。東京エレクトロンは小幅安。

豊田自動織機は１％超高。同社は３日、トヨタグループによる非公開化の提案の受け入れについて、きょう開催の取締役会に付議する予定と発表し、手掛かりとなった。トヨタ自動車は小幅安だった。

プライム市場の騰落数は、値上がり５４５銘柄（３３％）に対し、値下がりが１０２１銘柄（６２％）、変わらずが６３銘柄（３％）だった。