- 2025/06/03 掲載
米生保、19─24年に準備金8000億ドルを海外移転=ムーディーズ
[2日 ロイター] - ムーディーズ・レーティングスによると、米国の生命保険会社は2019年から24年の間に8000億ドル近い準備金を海外の関連会社に移した。
同社の2日付リポートによると、15年から20年初頭にかけて金利がほぼゼロまで低下する中、公的生命保険会社はリターンを最大化するため、成長中のプライベート・クレジット企業との競争力を維持するために複数のアプローチを取ってきた。アプローチにはプライベート・エクイティ会社やオルタナティブ資産運用会社との提携や合併が含まれ、こうした傾向は金利の上昇にもかかわらず続いている。19年から24年にかけて、およそ750億ドル相当の生保とプライベート・エクイティのM&Aが行われた。
こうした中、生保やオルタナティブ資産運用会社は多額の資金を米国からバミューダ諸島やケイマン諸島のオフショア口座に移してきた。
ムーディーズによると、米国の生保業界は24年末時点で約6兆ドルの現金および投資資産を保有しており、その3分の1はプライベート・クレジットに割り振られているとみられる。
これは、米国の生保会社が投資ポートフォリオのうち、プライベート・クレジット、具体的にはファンド・ファイナンス、オルタナティブ資産運用会社の資金調達のためのクレジットに徐々にシフトしていることを示している。
ムーディーズのアナリストは、ファンド・ファイナンスは今後3年から5年の間に拡大する可能性が高いとの見方を示した。
一方で、これらのプライベート・クレジット資産の詳細や構造に関する透明性が欠如しているため、その価値を評価することが難しいというリスクを指摘。また、流動性の低さから、企業が清算を余儀なくされた場合にはリスクが高くなるとした。
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR