- 2025/06/04 掲載
関税による物価高、速やかに顕在化=米シカゴ連銀総裁
[3日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は3日、関税によるインフレ上昇は速やかに顕在化する可能性がある一方、関税に起因する景気減速の影響が表れるには時間がかかるとの見方を示した。
グールズビー総裁は、企業のトップが関税措置によるコスト増の一部、または全てを消費者に転嫁する意向を示していることを踏まえると、物価上昇は1カ月以内にインフレ指標に反映される可能性があると述べた。
同時に、コスト増が景気減速につながった場合、その影響が経済指標に反映されるまでしばらく時間がかかるとの見方を示した。
タイミングは別として、トランプ大統領の貿易政策は、グールスビー氏が景気停滞とインフレが同時に起きる状況を指して呼ぶ「スタグフレーション方向」に経済を向かわせる可能性が高い。
グールスビー氏は「関税によって雇用は減少し、物価は上昇する。双方の状況が同時に悪化した場合に中央銀行がどうするかという自動的な対応マニュアルはない」と指摘。
関税政策を巡る混乱が収まり、トランプ政権が4月2日に予想を上回る関税引き上げを発表する前のような経済状況になれば、連邦準備理事会(FRB)が管理する短期金利は「現在の水準よりもかなり低くなる」可能性があると述べた。
「しかし、不確実性があるため、あまり自信を持ってそう言うことはできない。あす目覚めたら世界に対する関税が再び50%に戻っているかもしれない。そうなれば、多くの国内生産が打撃を受けることになり、どう対処するかを考えなければならない」と語った。
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