- 2025/06/17 掲載
NY市場サマリー(16日)株反発、ドルが対円・スイスフランで上昇、利回り上昇
複数の関係筋によると、イランはカタール、サウジアラビア、オマーンに対し、トランプ米大統領がイスラエルに即時停戦に合意するよう圧力をかけるよう要請。イランは見返りとして、米国との核協議で柔軟性を示す用意があるという。
ドルはこの情報を手掛かりに、対円やスイスフランで上昇。終盤の取引で、ドル/円は0.38%高の144.65円。
ドル/スイスフランも0.8136フランに上昇した。
フォレック・ドット・コムの上級ストラテジスト、デイビッド・ソング氏は「ドルの値固めに加え、リスクに敏感な円やスイスフランにボラティリティーが見られないのは、イランとイスラエルの対立にもかかわらず投資家心理が揺らいでいないことを示している」と述べた。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場で、国債利回りが上昇した。市場では週内に発表される一連の米経済指標に加え、17─18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されている。
米連邦準備理事会(FRB)は今回のFOMCで金利据え置きを決定するとの見方が大勢。市場の注目はFOMC参加メンバーの金利見通し、「ドットチャート」に集まっている。
BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ベイル・ハートマン氏は「2025年の金利見通しが注目されている。0.50%ポイント(の利下げ見通し)が修正されるかが焦点になっている」と述べた。
CMEグループのフェドウォッチ・ツールによると、12月までに0.50%ポイント以上の利下げが実施される確率は65.2%。0.25%ポイントの利下げが1回のみ実施される確率は28.2%、金利が据え置かれる確率は6.6%となっている。
この日は朝方、 イランがアラブ諸国を通してイスラエルと米国にメッセージを送り、敵対行為の終結のほか、核協議の再開を求める強いシグナルを送っているとの米紙の報道を受け、米国債利回りは一時低下。この報道で原油価格が下落し、紛争の長期化が原油供給の混乱につながり、結果的に米国でインフレ上昇を招くとの懸念が和らいだ。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場は反発して取引を終えた。イスラエルとイランの攻撃の応酬が続く中でも、原油生産と輸出に今のところ大きな影響が出ていないことで原油価格が下落。エネルギー価格の上昇でインフレが押し上げられるとの懸念が和らいだ。
この日は 関係筋の話として、イランがカタール、サウジアラビア、オマーンに対し、トランプ米大統領がイスラエルに即時停戦に合意するよう圧力をかけるよう要請したとの情報が伝わったことなどで、イスラエルとイランの休戦に対する期待が台頭。北海ブレント先物LCOc1と米WTI先物CLc1は1%以上下落した。
イスラエルがイランに対する大規模攻撃を開始した先週13日は、中東情勢の緊張の高まりを背景に原油価格は7%を超えて上昇していた。ビレール・アンド・カンパニー(ニューオーリンズ)のポートフォリオマネジャー、ジョージ・ヤング氏は「予測困難な要因は原油価格の動向だ。地政学的な小さな動きでも、極めて大きな影響が及ぶ可能性がある」と述べた。
投資家は18日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果も注視している。市場では米連邦準備理事会(FRB)が9月まで利下げを行わないとの見方が多く、LSEGのデータによると、9月に少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる確率は61.1%織り込まれている。
この日は情報技術や通信サービスが上昇を主導した一方、公益事業などは軟調だった。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が証券会社による目標株価引き上げを好感して8.8%高となり、フィラデルフィア半導体指数の上げを主導。ナスダック総合は5月27日以来の上昇率となった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、4営業日ぶりに反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前週末比35.50ドル(1.03%)安の1オンス=3417.30ドル。 前週末の相場は、イスラエルとイランの軍事的衝突をきっかけに、安全資産としての金需要が膨らみ、中心限月の清算値ベースで史上最高値を更新した。これを受け、この日は利益確定の売りが優勢となった。
投資家らは中東情勢の緊迫化を引き続き注視している。イスラエル軍報道官は16日、 イラン首都テヘラン上空での航空優勢を獲得したほか、イランが持つ地対地ミサイル発射装置の3分の1を破壊したと発表。地元メディアによる一部報道では、テヘランにある国営テレビ本部がイスラエル軍の攻撃を受けたとも伝わった。一方、ハッカビー駐イスラエ ル米大使は同日、SNSへの投稿で、商都テルアビブの米領事館近辺で、イランのミサイ ル着弾があったと述べた。ただ、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、 中東や欧州の当局者らの話として、イランは中東の仲介者を通し、米国とイスラエルに対し、戦闘終結と核開発問題を巡る協議再開を模索していると報じた。
一方、週内に米連邦準備理事会(FRB)による金融政策決定を控え、様子見ムー ドも広がった。このほか、主要7カ国(G7)首脳会議がカナダで開幕し、地政学リスクや世界経済の先行きに対する各国の対応が市場の注目を集めている。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢への過度の懸念が和らいだことで売りが優勢となり、反落した。
ロイターは16日、イランがカタールやサウジアラビア、オマーンの湾岸3カ国に 対して、トランプ米大統領がイスラエルに即時停戦を促す圧力をかけるよう求めたと報道 した。さらに米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は16日、関係者の話と して、イランがイスラエルとの紛争終結と、自国の核開発に関する交渉を再開したいとの意向を仲介役を通じて示唆したと報じた。これを受け、イランとイスラエルの軍事衝突が激化し、エネルギー供給混乱につながるとの懸念が後退した。イスラエルによるイランへ の攻撃をきっかけに、原油先物相場は前週末に7%超急伸し、清算値ベースで約4カ月ぶりの高値を付けていた。短期間で急速に買われ過ぎたとの見方から利益確定の売りも出や すかった。
イランとイスラエル両国は互いのエネルギー関連施設に攻撃を実施したものの、今のところ主要エネルギー施設などに大きな混乱が見られていない。攻撃開始直後には、イランが世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖に踏み切るとの懸念が高まった が、これまでそうした動きが出ていないことも売りにつながったとの見方があった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 144.72/144.
75
始値 144.03
高値 144.87
安値 143.66
ユーロ/ドル NY終値 1.1561/1.15
63
始値 1.1575
高値 1.1614
安値 1.1555
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*24.0 4.9593
0 %
前営業日終値 97*13.5 4.9150
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*13.0 4.4502
0 %
前営業日終値 98*19.5 4.4240
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.0 4.0347
0 %
前営業日終値 99*28.7 4.0220
5 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.1 3.9727
3 %
前営業日終値 99*27.0 3.9580
0 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 42515.09 +317.30 +0.75
前営業日終値 42197.79
ナスダック総合 19701.21 +294.39 +1.52
前営業日終値 19406.83
S&P総合500種 6033.11 +56.14 +0.94
前営業日終値 5976.97
COMEX金 8月限 3417.3 ‐35.5
前営業日終値 3452.8
COMEX銀 7月限 3644.8 +9.3
前営業日終値 3635.5
北海ブレント 8月限 73.23 ‐1.00
前営業日終値 74.23
米WTI先物 7月限 71.77 ‐1.21
前営業日終値 72.98
CRB商品指数 310.1708 +0.2725
前営業日終値 309.8983
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