- 2025/06/17 掲載
グッチ所有企業、次期CEOにルノーのトップが9月就任へ
創業家のピノー一族以外がケリングのトップに就くのは初めて。ケリングは業績が低迷し、過大な負債を抱えており、投資家や業界関係者はデメオ氏が大きな経営課題に直面すると指摘している。
ピノー氏は最近の数年間の業績は期待に応えるものではないとした上で、新しい体制に移行し、新たな視点を持つことが必要な段階になったとして、「国際的な上場企業グループの指揮を執った経験と、ブランドに対する鋭い理解、そして力強く尊敬に値する企業文化への感覚を踏まえると、デメオ氏は私が求めていた新たなビジョンをもたらすリーダーだと確信した」とコメントした。
ピノー氏は組織戦略に引き続き関与するものの、デメオ氏を「短絡的に」起用するわけではないと説明。主要幹部の人事権や、グループの優先課題の判断はデメオ氏に一任するとした。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後、グッチは販売回復で苦戦している。ケリングは100億ユーロ(116億ドル)を超える負債を抱えており、企業の格付けが再び引き下げられるリスクにさらされている。
一方、ルノーにとってデメオ氏の7月中旬のCEO退任は打撃となる。デメオ氏は約5年間の在任中に業績を立て直し、資本・業務提携を結んでいる日産自動車への出資比率を引き下げたことが評価されている。
16日にケリングの株価は前週末より12%弱上昇し、1日の伸び率としては2008年11月以来、約16年7カ月ぶりの大きさとなった。
一方、ルノー株は約8%下落し、1日の下落率としては22年2月以来、約3年4カ月ぶりの下げ幅となった。
ケプラー・シュブルーのアナリストらは「高級部門企業が社外から誰かを雇うのはリスクが高いと思われるかもしれないが、デメオ氏のプロフィールはケリングを率いるのに適していると思われる」とし、「彼の経営再建能力、製品重視のリーダーシップ、豊富なマーケティング経験は特に価値がある」とコメントした。
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