- 2025/06/21 掲載
物言う株主の経営参画焦点=フジHD、25日に株主総会
フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は25日に株主総会を開き、取締役選任案を諮る。経営側と「物言う株主」の米投資ファンド双方が、それぞれ10人余りの候補を提案。元タレント中居正広氏の性加害問題を巡り厳しい批判を受ける中、ガバナンス(企業統治)の再構築を図る新体制に米ファンドの候補が加わるかが焦点だ。
株主は、個別の取締役候補に賛否を示すことができる。過半の賛同を得た候補のうち、賛成率の上位から定員の18人を上限に選任される。
「ベストチームを選んでほしい」。フジHD株の7.51%を持つ大株主の米ダルトン・インベストメンツのジェームズ・ローゼンワルド最高投資責任者はこう強調し、株主にファンド提案の候補を含めた投票の検討を呼び掛ける。候補には、SBIホールディングス会長兼社長の北尾吉孝氏や元ジャパンディスプレイ社長の菊岡稔氏ら12人を推す。
これに対し、会社提案は社長候補の清水賢治専務(フジテレビ社長)や元ファミリーマート社長の沢田貴司氏ら計11人。清水専務は「改革を実行できるメンバーをそろえた」と自信を示す。
フジテレビは2023年6月に起きた中居氏の性加害問題への対応で、人権意識の欠如を露呈。今年1月に相次いだスポンサー離れの影響が長期化している。長年経営に携わった日枝久氏らフジHD取締役は軒並み退任する。両陣営の間では、こうした旧体制との決別や不動産事業の扱いで意見が異なる。
フジHDの経営側は5月中旬以降、大株主など70社以上と面談し、会社提案への理解を求めてきた。ダルトンも自らの案の意義を訴え、旧来の大株主の切り崩しを狙う。個人株主にはメディアを通じてアピールしている。
機関投資家に影響力を持つ米議決権行使助言会社の判断は割れる。インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が会社提案に賛成。グラスルイスは会社側の沢田氏ら2人に反対し株主側の北尾氏ら5人に賛成した。
【時事通信社】
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR