米総合ＰＭＩ、6月は52.8に低下　製造業の投入価格22年7月以来の高水準

Lucia Mutikani

［ワシントン　２３日　ロイター］ - 米Ｓ＆Ｐグローバルが２３日発表した６月の米総合購買担当者景気指数（ＰＭＩ）速報値は５２．８と、前月の５３．０から低下した。小幅な減速にとどまったものの、トランプ米大統領による包括的な関税導入で物価はさらに上昇し、今年後半にインフレが高進する可能性が高いことを示唆した。

製造業ＰＭＩは５２．０と、前月から横ばい。ロイターがまとめたエコノミスト予想は５１．０だった。

サービス業ＰＭＩは５３．１と前月の５３．７から低下。予想は５３．０だった。

Ｓ＆Ｐグローバルは「保護貿易主義による恩恵拡大への期待を一部反映」し、製造業の楽観的な見方がわずかに高まったと指摘。一方で、「トランプ大統領の就任前と比べ、企業の楽観的な見方は後退している」と述べた。

新規受注指数は５２．３と、前月の５３．０から低下。投入価格指数も前月の６３．２から６１．６に低下した。

一方、製造業の投入価格指数は７０．０と前月の６４．６から大幅に上昇し、２０２２年７月以来の高水準を記録した。投入コストの上昇が響いた。投入コストの上昇を報告した製造業者の約３分の２は、関税措置がその原因だと指摘した。

サービス業の投入価格指数は関税措置や資金調達コストの上昇などにより、依然として高止まりしているものの、上昇ペースは鈍化した。

製造業の販売価格指数は６４．５と、前月の５９．７から大幅に上昇し、こちらも２２年７月以来の高水準となった。

雇用指数は回復したもの、これは製造業のけん引を主因としたもので、一部の工場では受注残が発生している。

こうした中、パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は、「雇用指数は最近、賃金の伸びを示す指標としてあまり有用でなく、その正確性に疑問が生じている」とし、今回の改善に懐疑的な見方を示した。

Ｓ＆Ｐグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「６月のＰＭＩ速報値は、米経済が第２・四半期末時点で引き続き成長していることを示したが、過去２カ月でインフレ圧力は急激に高まっており、見通しは依然として不透明だ」と述べた。