- 2025/08/18 掲載
「理系」の魅力、知る夏に=女子中高生にオフィスツアー―大手企業や官公庁
東京都やその近郊に拠点を構える61の大手企業や団体、官公庁がこの夏、都内の女子中高生を対象としたオフィスツアーを続々と開催している。女性の理系進学を後押しし、国際的に見劣りする日本の理系女性比率を向上させるのが狙いだ。最新技術の紹介や研究職の女性社員との交流を通じ、科学や工学の魅力を伝えている。
富士通は7月、川崎市内の技術展示施設に、公募で集まった女子中高生約30人を招待。生徒らは歴代の製品や量子コンピューター、3Dセンサーと人工知能(AI)で体操の採点を支援する装置などを見学した。その後は研究・開発担当の女性社員と懇談。話題は仕事内容から理系に進んだ理由、普段の生活にまで広がり、「理系か文系か迷っている」という生徒は真剣に耳を傾けていた。
米半導体大手エヌビディアは都内のオフィスで、AIを活用したゲームや画像処理半導体(GPU)を女子中高生に紹介。GPUを搭載した装置を持ち上げた生徒からは、「重い」と声が上がった。参加した女性社員には、入社のきっかけや進路の選び方、仕事のやりがいなどを質問。大崎真孝日本代表は、「皆さんが活躍できる場がもっと増えていかなければならない」と語り掛けた。
オフィスツアーは東京都が旗振り役となり実現した。夏休み中に、このほかにNECや三菱電機、日本マイクロソフトなども開催予定だ。
経済協力開発機構(OECD)の2023年のリポートによると、日本は、科学、技術、工学、数学の頭文字を取った「STEM」と呼ばれる分野の大卒女性比率が17.5%と、OECD加盟38カ国中最下位に沈む。背景には、「性別に関する社会的・文化的な固定観念や、教育段階からのジェンダーギャップがある」(富士通の担当者)とされ、その解消が課題だ。
【時事通信社】 〔写真説明〕富士通の社員(中央)と懇談する女子中高生=7月28日、川崎市 〔写真説明〕米エヌビディアの画像処理半導体(GPU)搭載装置を手にする女子生徒=7月31日、東京都港区
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