- 2025/08/18 掲載
米ドル建て社債発行、9月に活発化との見方
[15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が9月に大幅利下げをするとの期待感が最近の統計を受けて後退し、米国債利回りが激しく変動している中でも、債券銀行関係者やストラテジストらの間で米ドル建ての社債発行が9月に活発化するとの見方が強まっている。
インフォーマ・グローバル・マーケッツ(IGM)のデータによると、これまでの9月の平均では約1400億ドルの投資適格級社債が発行されている。
IGMのデータでは、昨年9月の発行額は1720億ドルを超え、9月としては過去最高を記録した。これは企業が健全な投資家需要を捉えようとしたためだ。
先週発表された米国の7月の卸売物価指数(PPI)が大幅上昇した一方、消費者物価指数(CPI)の伸び率は市場予想通りだった。これらの結果を受け、FRBが9月に大幅な利下げを実施する確率が低下した。
ニューヨークに本社を置く米州みずほの投資適格級資本市場・米国債務シンジケート部門責任者、ビクター・フォルテ氏は「利下げがいくらか遅延することを示すデータは、9月の社債発行に影響を与えないだろう」とし、「伝統的に忙しい月であり、スプレッド(または)利回りの小さな変化にもかかわらず、今年もそうなると予想されている」と指摘した。
投資適格社債と国債の利回り差の企業信用スプレッドは今週、一部の社債で数ベーシスポイント(bp)拡大した。
フォルテ氏は、企業の財務担当者が9月の債券発行計画を変更するほど大幅な動きは見られていないとして「彼らが9月に社債を発行するかどうかは、FRBが金利を引き下げる時期の予測よりも、企業財務に必要かどうかが左右する」と語った。
ICE BAML投資適格指数によると、投資適格債の平均スプレッドは今週約1bp縮小し、直近では77bpと、1998年7月28日に記録した74bpに迫る水準となっている。社債の平均利回りは4.94%で、今年1月の水準を41bp下回る。
債券銀行関係者とアナリストらは、9月の社債発行が高水準になるのを控え、8月の投資適格級社債発行も活発になると予想している。
米中西部ミネアポリスを拠点とするUSバンコープの投資適格債務資本市場・シンジケート部門責任者のカイル・ステッグマイヤー氏は「将来の投資適格債の年間供給が1兆5000億ドル前後になるとの予想を踏まえると、夏の終わりが近づくにつれてより活発なスケジュールが予想される」と話した。
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