- 2025/09/01 掲載
ノルウェー基金のキャタピラー株売却、反発の米議員に首相が接触
[オスロ 29日 ロイター] - ノルウェーの政府系ファンド(SWF)、ノルウェー政府年金基金がパレスチナ自治区ガザなどでの人道問題を理由として米建設機械大手キャタピラーの全保有株売却を決めたことに、グラム米上院議員が反発し、ノルウェーのストーレ首相は29日、論争を沈静化させるためグラム氏と接触したことを明らかにした。
世界最大のSWFである同基金は25日、キャタピラーがイスラエルにガザなどパレスチナの占領区で使用するブルドーザーを提供したことに倫理的な懸念があるとして、同社株を売却したと発表した。
キャタピラーは基金の動きについてコメントしなかった。
トランプ米大統領の盟友であるグラム議員は28日、ノルウェーが決定を再考しなければ米国はノルウェーからの輸出品に追加関税を課したり、基金のマネジャーに渡航制限を科したりする可能性があると表明。X(旧ツイッター)に「近視眼的な決定を再考するよう促す」と投稿した。
キャタピラー株の売却は、財務省が設立した倫理評議会の勧告を経て決定した。ノルウェー首相府の事務次官はロイターに対し、ストーレ首相が28日に「テキストメッセージでグラム上院議員に年金基金の組織について伝えた」と説明。株資金売却はファンドを運営するノルゲス・バンクの理事会が独立した判断を下したものであり「政治的な決定ではない」と付け加えた。
グラム議員の事務所はコメント要請に即座に答えなかった。
ノルウェーでは、トランプ氏の経済政策が不透明なため、基金が保有する米国内の資産が接収されたり強制的に債務に転換されたりするリスクを懸念する声も出ている。
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